今回は犬が吐く(嘔吐)時の原因や吐き方の種類、吐いた時の対処法やケアのしかたを徹底解説していきます。吐くと一言でいっても緊急性の高いものから見守っていていいものまで様々あります。愛犬が吐いたとき落ち着いて行動できるように犬が吐くことの知識を得ておいていただければと思います。
犬が吐く(嘔吐)ことの知識を深める
犬が吐いていたら、飼い主としてとても心配になると思います。
しかし犬はとても「吐く(嘔吐)」をしやすい動物なので、まずは慌てないで愛犬の様子や吐いたものや吐いた状況などを観察していきましょう。
吐く(嘔吐)の知識を深めておけば実際に愛犬が吐いていても冷静に判断ができます。
吐くことの多い犬種や世代とは
犬は全般的に吐くことが多いですが体の仕組み上吐くことが多い犬種と吐くことが多い世代があります。
まず犬種ですが、気管が細いと吐きやすくなります。気管が細いのは短頭種と小型犬です。
- ブルドッグ
- フレンチブルドッグ
- ボストンテリア
- パグ
- シーズー
- チン
- チワワ
- ポメラニアン
- パピヨン
- ヨークシャテリア
こちらの犬種は比較的吐くことが多い傾向にあります。
また、短頭種は胃と食堂が繋がっている噴門と糸消長が繋がっている幽門という部分の病気になることが多いです。
幽門や噴門になにかしらの異常があると嘔吐をしやすくなるので、短頭種の場合は食後20分前後で嘔吐をした場合は噴門や幽門の病気も考えられます。
そして吐く(嘔吐)が多い世代は子犬と老犬です。
老犬になると消化器官の機能が衰えるので嘔吐をしやすいこともありますし、病気になる可能性も高まるので老犬の場合は特に問題のない嘔吐か問題のある嘔吐かの見極めが大切です。
子犬の場合は、消化器官の発達がまだ未熟であることと食事の量の調節が難しいので吐くことが多い傾向にあります。ただ子犬の場合は好奇心が旺盛なので、異物を飲みこんでしまったり中毒を起こすものを食べてしまう危険も高い点に要注意です。
獣医に伝えるべき項目リスト
犬が吐くときには前兆と思われる行動をする場合があります。
例えば
- えずく
- 咳やヨダレが多い
などが見受けられたリ気になったら食事と水をあげないで、様子を見ましょう。嘔吐物の誤飲を避けるためうつ伏せの体勢にしておくのがベストです。
あとで病気の見極めもご紹介しますがやはり病院に連れていく場合を考えて犬が吐いた場合は獣医に伝えると良い症状や項目があります。
【獣医に伝える項目一覧】
- 吐いたのはいつか(時間と食後どれくらいか)
- 吐いたものは何か(色と量、血液や異物は混じっていたか)
- 吐いた回数(1回か複数回か)
- 吐く前の犬の様子(震え・ぐったりしていた・歩行など)
- 吐いた後の犬の様子(元気かどうか)
- 何か食べてしまった可能性(異物や中毒物)
- 下痢をしていたか
落ち着いてこの情報を整理して獣医さんに伝えてください。
できれば吐いたものの写真を撮り獣医さんに見せると診断の良い材料になります。
犬が吐くことは比較的多いことです。
問題がない場合もありますが重要で大きな問題があることもありますし異物を飲んだ・中毒物質を食べたなど急な原因であることもあります。
動物病院に連れて行くとき、愛犬の心配をしながらさらには動物病院でかかる費用の心配もすることになるかもしれません。
愛犬を少しでも早く楽にして正しい診断と処置をしてあげるためにも気軽に動物病院に行ける環境にしてあるとあなたも愛犬も安心かもしれません。
そのためにはペット保険を検討してみてください。
ペット保険はたくさんあるので迷うと思いますが評判が高く人気もあり、いざというときに頼りになると満足度が高いペット保険をご紹介します。
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犬が吐く3つの種類とその違いとは
犬の吐く行動には3種類があります。
それが
- 吐出(吐き戻し)
- 嘔吐
- 嚥下困難
になります。
【吐出(吐き戻し)】
愛犬が吐いたとき、嘔吐物を観察してみましょう。
吐いたものが未消化の場合だったらそれが吐出(吐き戻し)です。
吐出(吐き戻し)は一般的に「嘔吐」とは区別され同じ吐く行為でも嘔吐にはなりません。
下に向かって吐くこともありますが前に勢いよく飛ばすように吐くこともあります。
特に、食後にすぐ吐いてしまう場合は吐出(吐き戻し)の可能性が高いです。
吐出(吐き戻し)の場合は出したものをもう一度食べる場合もあります。
【吐き戻しの対策方法】
食後に未消化で吐いてしまうのを防ぎたい・・・その場合は食事に気をつけていきましょう。吐き戻しの原因は食べ過ぎや早食いですからフードの量を調節していきます。
まず一回の量を減らしてみてください。
吐き戻しをしてしまう犬は「あるならあるだけ食べたい!」と思ってしまう子が多いです。しかも、ドライフードは胃に入って水分を含むと思ったより膨張するんですね。ちなみに小粒より大粒のフードの方が膨れやすいです。
それで、急に胃が苦しくなってしまうのではき出してしまいます。ですから、胃に入った量を考慮してはじめからフードの量を減らして与えます。
まず半分くらいに減らしてあげてみてください。
フードを減らしても一日の量をキープするため食事の回数を増やしてあげてください。通常1日に2回で食事を与えているなら1回分を半量にして1日に4回食事をあげます。
【嘔吐】
嘔吐の場合は吐いたものがある程度消化されています。
食べたものが一度は胃や腸まで入り少し消化されたけど何らかの問題で吐き出してしまうのが嘔吐になります。
嘔吐だと下に向かって吐きます。
消化されている食べ物なので嘔吐の場合はもう一度食べようとはしません。
嘔吐物が消化されている形跡があったら病気の可能性も高くなるので特に念入りに嘔吐物をチェックして獣医さんに報告をしてください。
【嚥下困難】
食べ物をうまく飲みこむ(嚥下)ことができなくて吐き戻してしまうことを嚥下困難といいます。
食べ物が胃まで到達していないので吐き戻したものは消化されていません。
空腹嘔吐について~原因と対策
もしも、朝起きて犬のところに行ったらじゅうたんに吐いたシミがついていた。。。など、どうも夜間に吐いたんじゃないか?という痕跡がしばしばあるという人は必見です。
夜間に吐いてしまう原因は空腹だから。
これが空腹嘔吐というものです。
犬の胃酸は私たち人間よりも強くて少々の細菌だったら胃で殺菌できる力があります。
胃が空っぽの状態が長すぎると胃酸過多になり胸やけなどが起きて胃液を戻してしまうんですね。これが空腹嘔吐のメカニズムです。
これは吐き戻しよりも注意が必要で、一過性のものであればそれほど心配いりませんが何度も夜中に吐いてしまう慢性的なものは戻す際の胃酸によって食道がダメージをうけ食道炎になってしまうこともあります((( ;゚Д゚)))
ですから、夜間に吐いた場合はぜひ対策を摂るようにしていきましょう。
【空腹嘔吐の対策方法】
胃酸過多になることで吐いてしまう空腹嘔吐を対策するには、空腹の時間に胃の粘膜を保護するものを与えるという方法があります。
胃の粘膜を保護するものというのは・・・
牛乳やヨーグルト
牛乳やヨーグルトは胃酸から胃を保護するのにとても有効なので寝る前にほんの少量与えてみてください。
牛乳やヨーグルトを選ぶときは低脂肪のものにしないと肥満の原因になります。また、牛乳は下痢をおこしやすいので人間用ではなく犬用のものにしましょう。
空腹になりやすい就寝前に、少量を舐めさせるようにするだけで改善がみられます。
楽天市場で犬用のヨーグルトを一覧で見られるリンクを貼っておきました。牛乳は犬用のものが色々な種類で売られているのは知っていましたが、ヨーグルトもしっかりとあるんですね(゜o゜;!!
【そのほかにもある改善策】
空腹嘔吐を防ぐために、就寝前の牛乳やヨーグルトを与える方法は中々効果があるんですが、その前に注意してみてもらいたいことがあります。
- 18時以降は食事させない
- 草を食べさせない
18時以降は食事をさせないって、空腹の時間が長くなるから逆効果じゃない?と思われたかもしれません。空腹嘔吐は胃が空っぽの状態で胃液を吐き出すということが多いんですが、胃に消化途中のものがあれば、それに誘発されてはき出してしまうこともあります。
もし、吐いたものに消化途中のものが含まれていたことがある場合は18時以降に食べ物を与えないという方法を試してみてください。
これでも吐くなど改善が見られない場合は
- フードをあげる回数を増やしてみる
- ご飯をあげる時間を変えてみる
という改善方法もあります。
太り過ぎでダイエットをしている子にも空腹嘔吐は見られます。
ダイエット中に何度も吐いてしまう場合はそのダイエットで低血糖症という消化器系の病気になる場合もあるので獣医師に相談しながらダイエットを行ってください。
またお散歩の途中で草を食べようとする子も多いです。
基本的に、お外の草は除草剤などが撒かれている可能性がありますから草自体を食べさせるのは避けるべきなんですが空腹嘔吐を防ぐという観点でもやめさせた方がいいです。というのも、草は胃の中で刺激になるんですね(´・ω・`)
胃を刺激するとよけい吐き気をもよおすので吐き癖がついてしまう可能性があります。草を食べさせるのはやめるようにしてください。
犬が吐く原因は病気かも!症状や注意ポイント
犬はよく吐いてしまうとはいえやはり吐くには原因があります。
一時的な自然現象によって吐く場合もあれば病気によって嘔吐が引き起こされている場合もあります。
吐く原因としては
- 空腹嘔吐、食べ過ぎや早食い、消化不良
- 吐くために草を食べた
- 胃に溜まった毛玉などを吐くため
- 食べた食材が合わなかったため
- 乗り物酔い
- ストレスや不安などの内的要因
- 食べ物や薬品、植物、化学物質による中毒
犬が吐く病気としては
- 急性・慢性胃炎や胃捻転、胃潰瘍などの胃の病気
- 腸閉塞や慢性腸炎、腸重積などの腸の病気
- 急性膵炎や急性肝炎などの膵臓・肝臓の病気
- 回虫症などの寄生虫病
- ジステンバー、コロナウイルスなどの感染症
- 糖尿病やアジソン病などのホルモンの病気
- 子宮や前立腺などの生殖器の病気
- 尿毒症や急性腎不全などの泌尿器の病気
こんなにたくさんの病気があります。
中には命の危険がある病気もありますので症状によってどんな病気が疑えるのかご紹介しておきます。
【繰り返し何度も吐く場合】
何度も連続して吐く状態の時は、胃や腸などの消化器の病気や中毒物質を食べてしまったなどの中毒を疑います。
【吐く量が大量の場合】
吐き方が激しかったり、量が大量の時は、消化器の病気のほか感染症の疑いもあります。
【血液や異物が混じる場合】
嘔吐したものに血液が混じっていたり虫が混じっていたら、消化器の病気や腫瘍、寄生虫病などが疑えます。
【嘔吐物が便の臭いがする場合】
消火器で消化したものが大腸から逆流してきた恐れがあります。この場合は腸閉塞が疑えます。
【吐くしぐさだけの場合】
吐こうとしているしぐさはあるのに嘔吐物が出ない場合は、胃捻転の疑いがあります。
注意ポイント
一見関係なさそうな皮膚の腫瘍で肥満細胞腫という悪性のがんがあります。
肥満細胞腫は炎症を引き起こす化学物質を持っているため炎症物質が胃に運ばれると胃潰瘍を起こし嘔吐や吐血などの症状が出ることがあります。
犬が吐くということは多くの病気が潜んでいる可能性があります。
動物病院でいち早く正しい診断をしてもらうためにも嘔吐物や犬の様子を詳しく獣医さんに知らせましょう。
嘔吐物に黄色や茶色が混じっているのは病気?
犬が吐いたものの色によって病気かどうかの目安になります。
透明から白色 :水や唾液、胃液
黄色(黄緑色):胆汁
薄い赤色 :少量の血が混じっている可能性が高い
濃い赤色・茶色:出血してから時間が経過している
色が濃くなるほど病気の危険が高まり危険度も増します。
問題なし?あり?危険度別対処法
確かに犬は健康な状態でも吐く場合があります。
「少し様子を見よう」と思っていると大変な病気になっている可能性もあるので問題がないか問題があるのかの目安をご紹介していきます。
しかしあくまで目安であるだけなので少しでも心配な状態であれば獣医さんに診てもらってください。
低危険度の場合~原因と対処法
犬が吐いた原因が明らかでありそれをのぞけば良いもの(例えば車酔いなど)は様子を見ていて大丈夫です。
その他にも犬が吐いた後の様子が
- ケロッとしていて元気
- 熱や下痢などの他の症状は無い
- 吐くのは1回だけ
- 食欲はある
- 夜間に吐く(空腹嘔吐)
- 嘔吐物が黄色の液体や白い泡状
の場合は比較的危険度は低いでしょう。
早食いや食べ過ぎ、または空腹に気をつけてください。
対処法としては空腹嘔吐をのぞいて半日程度の絶食(水もなし)をして消化器官を焼済ませた後、様子を見て徐々にあげていきます※ケアについては後ほどご紹介します。
ドッグフードを変えてみるのもいいです。
ドッグフードには穀類が多く使われているフードがありますが、小麦や大豆トウモロコシなどの穀類は犬の消化器にとっては負担になります。
また食いつきを良くするために大量の添加物を使っているものも多いです。
犬のアレルギーはドッグフードが原因で詳しくご紹介しましたが、市販のドッグフードは犬の健康によくないものも多く含まれています。
無添加であり穀類を使っていないグルテンフリーの上質なドッグフードに切り替えてみるのも症状改善に効果が期待できます。
モグワンドッグフード
犬の約4割がなると言われている
食物アレルギーに対しても対応していて
使っている食材も厳選されている
安心安全なドッグフードです。
もちろん無添加&グルテンフリーですので
愛犬の健康を気遣う愛犬家の間で
人気が高くリピートが多いのが特徴です。
アランズナチュラルドッグフード
こちらは主な材料にラム肉を使っており
アレルギーの疑いがある子には
こちらがおすすめになります。
材料に強いこだわりを持つフードで
無添加、グルテンフリーはもちろん
少ない量で充分な栄養が摂れるよう
設計されているので、空腹嘔吐をする子は
こちらを一度試してみてもらいたいと思います。
高危険度の場合~原因と対策
犬が吐く原因がわからなかったり吐く頻度が多い、量が多いなど様子がおかしい場合は病気の可能性が高く危険度も高まります。
- 1日に何度も嘔吐する
- 嘔吐が2日以上続く
- ぐったりしている
- 元気がなく苦しそう
- 熱や下痢がある
- よだれが多い・呼吸が荒い
- 歩行困難やけいれんなどの症状がある
- 腹部が張っている(または痛そう)
- 嘔吐物の色が濃い(吐血の可能性がある)
- 嘔吐物に虫や異物などが混じっていた
- 嘔吐物から便の臭いがする
このような症状があった場合一刻も早く動物病院に連れて行きましょう。
中には胃がねじれてしまう胃捻転のようなすぐに手術が必要な病気もあります。
胃捻転は大型で胸の深い犬種が起こしやすくもし胃捻転だった場合は一刻を争う早急な開腹手術で胃を元に戻さないと死んでしまう可能性の高い病気です。
これらの疑いがある場合は写真ではなく嘔吐物をビニール袋などにいれ嘔吐物をそのまま持っていくようにしてください。
中毒を起こす身近な原因一覧
中毒による嘔吐も早急に病院に連れていく危険なものです。
しかし意外とどこの家庭にでもある身近なもので中毒になります。犬が中毒を起こす身近な物を一覧にしておきますのでご注意ください。
玉ねぎ・チョコレート・ぶどう
人間の薬・除草剤・殺虫剤・家庭用洗剤
タバコ・ペンキ・ガソリン・灯油・不凍液
危険な植物一覧
アサガオ・アセビ・アマリリス・イチイ・ジギタリス・ジャスミン・スイセン・スズラン・ツタ・ヒガンバナ・ポインセチア など
犬が吐いた後の応急処置とケア方法(食事や水)
犬が吐くと原因によってですが応急処置の方法というのはあります。
しかし、例えば中毒の場合は吐剤を使って異物を吐かせますが飲みこんだものによっては吐かせることが
さらに症状を重症化する場合があります。
また異物を飲みこんだ場合も飲みこんだものの形状によって対処法が変わることがありますので、応急処置をしようとする時間があるなら一刻でも早く動物病院に連れていきましょう。
問題がない場合で、犬も元気で他の症状もないというのであれば自宅で様子を見ながらケアをしていきます。
ケアの方法としては絶食と絶水です。半日から1日程度、消化器を休ませるため絶食をします。絶水は半日(12時間ほど)です。
ぬるま湯でフードをふやかして消化の良い状態にして少しずつ与えてみます。吐くなどの症状がなければ少しずつ与える量を増やしていきましょう。
夏など、水分が必要な季節のときなどは氷を舐めさせるという方法もあります。
ただ、犬の年齢によっては子犬や老犬など絶食することが体の負担になることもあるので獣医さんの指示に従ってください。
まとめ
最後までご覧いただいてありがとうございました。
愛犬の吐くことに対する知識はだいぶ深まったのではないかと思います。
問題ない場合から、早急に病院に連れて行く場合まで私達には判断がつきにくいことが多いです。少しでも不安がある場合にはすぐに病院に連れて行き獣医さんの診断を仰ぎましょう。
また毎日食べるドッグフードは犬の健康に直結するものです。市販のドッグフードよりも愛犬の体のために良いフードをあげることも大切です。