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犬が車や自転車に飛びつくのはなぜか?
犬が大好きなお散歩の時間。
地面の匂いを嗅いだり、知り合いの犬に会ったりお外の空気を吸って運動にもなる犬にとってはとても楽しい時間です。
いつもはいい子で歩いているのに急に車や自転車に飛びつこうとすることはありませんか?
リードは持っているけど、急に引っ張られてヒヤッとした思いをした人もいるかもしれません。
犬が急に車や自転車に飛びつこうとしてしまうのはなぜなんでしょう?
犬が車に飛びつく理由は3つあります。
- 本能によるもの
- 恐怖によるもの
- 勘違いによるもの
それぞれ詳しくご紹介していきます。
犬が車に飛びつく理由1:本能によるもの
この本能というのは「狩猟本能」で、動くものを見ると追いかけたくなる野生時代からの本能です。
野生時代は走って獲物を追い詰め、それを捕まえることで食べて生活していました。
犬にとって動く物は獲物であり、その本能が今でも残っているため動く物を見るととっさに体が反応してしまうんですね。
散歩中の犬が車や自転車に急に反応して吠えたり飛びつこうとするのはこの野生時代の狩猟本能の名残です。
犬の視力はあまりよくありませんし、人間ほどカラフルにも見えていません。そして動体視力には優れているため、動く物ほどよく見えるという特徴があります。
今では、獲物を追う必要はありませんがDNAに刻み込まれた本能と言うんでしょうか、どうしても素早く動くものや逃げるものに反応して追いかけようとするところがあります。
狩猟本能のほかにもう一つ追跡本能車の飛びつきに関係しています。
犬は人間と生活するようになってからも猟犬や牧羊犬として、長く人間の生活の助けをしていました。
牧羊犬や牧畜犬は、動いている羊などを追いかけ集める能力に長け、ハーディング・ドッグと呼ばれています。
ハーディング・ドッグたちは特に車のような速さには無意識に反応してしまう部分があるので、車へ飛びついてしまいやすいかもしれません。
犬が車に飛びつく理由2:恐怖によるもの
犬は恐怖心や警戒心が強くなった場合、攻撃性に転じて相手に飛びつくことがあります。
車に乗っていた時に痛い思いをしたり怖い思いをしたなどの、車に関する嫌な経験をした場合それがトラウマとなって強い恐怖を感じてしまいます。
また車そのもので嫌な思いをしただけではなく、近くをすごいスピードで通られてびっくりしたり、車の音に驚くなどすると、それも怖い経験として記憶されてしまいます。
特に、まだ車という存在をあまりわかっていない子犬の時などに怖い思いをして恐怖心を抱いてしまうことが多いです。
子犬の社会化期に外の世界に慣れることができなかったり、車を含むいろいろなものを見たり経験できなかったりすると車に対する警戒心も強くなる傾向にあります。
できるだけ子犬の時に止まっている車、走っている車を見せ、必要以上に怖がる物ではないことを教え、飼い主と一緒に歩いているときは恐れなくても大丈夫なことを教えてあげましょう。
犬が車に飛びつく理由3:勘違いによるもの
これは何が勘違いかというと、飼い主さんの接し方(しつけ方)の勘違いによるものです。
犬は自分の感情で普段行動していますが、子犬の時などは大好きな飼い主さんの姿が見えたらうれしくて飛びついてしまうことはよくあります。
例えば、帰ってきた時などに子犬が出迎えてくれて、大喜びで飛びついてきたら…飼い主としてはうれしいと感じてしまうのではないでしょうか。
その時に飼い主さんが喜んで褒めたり撫でたりする様子を犬はちゃんと見ています。
そして犬はそれを経験として学習し、飼い主さんに飛びつくと喜ばれるので「しても良いこと」だと覚えてしまうんですね。
飛びつくことが良いことだと学習してしまうと、飼い主さん以外にも平気で飛びつくようになります。
ただでさえ、本能が刺激されるような走っている車ですから、当然車に対しても飛びついてよいと考えてしまいます。
飼い主さんの褒めるタイミング・叱るタイミングというのはしつけにおいてとても重要な犬にとって教科書のようなものですが、そのタイミングが間違えてしまうと犬は間違ったことを学習してしまいます。
良いことと行けないことの伝え方がわかりにくいと、飼い主さん側が意図していないことを学習してしまうので、そういうことすべてを含めてしつけをわかってから取り組んでいただくことがおすすめです。
一度犬は学習してしまうと、いきなりそれがいけないことだとして叱っても理解できなかったり、混乱してしまうので飼い主さんの言葉を聞こうとする意欲が薄れてしまいます。
重要なのは飼い主さんの言動です。
犬に勘違いさせないようなしつけをしてあげることがとても大切です。
気をつけないといけないのが子どもと遊んでいる時です。
子どもと遊んでいるうちに興奮してきて車や自転車に飛びつくのと同じように、子供を追いかけてしまうことがあります。
楽しい気持ちで遊びの一環で追いかけているときは飼い主さんの制止でやめることができますが、興奮してしまうと犬も自分をコントロールできなくなって飼い主さんの声が聞こえなくなるかもしれません。
子供と遊んでいるときは、興奮にならないようずっと走らせておくのではなく、たまにコマンドで落ち着かせるようにしましょう。
その他の犬が飛びつく時の心理
犬が車に飛びつく理由についてみてきましたが、狩猟本能や恐怖でなくても犬はいろいろなものに飛びつきます。
子犬が飛びつくのはある程度当たり前のことではあるんですが、飼い主さんがそれを「良し」としてしまうと、後々やめさせるのに苦労してしまいます。
犬はどんな心理状態の時に飛びつくのかを理解しておくと、対処するときの気持ちが変わってきますのでご紹介しておきます。
<喜び>
これは先ほどもご紹介したように、大好きな飼い主さんが帰ってきた時によくみられる嬉しくて喜びから飛びつくものです。
<興味>
興味を持った物・犬・人などに対して、知りたい探索したいという気持ちで飛びつくことがあります。好奇心が強くて物おじしないタイプの犬によく見られます。
<要求>
ご飯が欲しい・散歩に行きたいなどなど、犬が要求がある時に飼い主さんに飛びつきます。飛びついて要求が通った経験があると飛びつき癖が強くなります。
<序列確認>
ドッグランや公園など他の犬がいるところで犬に対して飛びつくときは序列を確認しているかもしれません。飛びつかれてマウンティングなどをされると、相手の犬に大きな恐怖心を感じさせてしまうことがあります。
犬が車などに飛びついてはいけない超怖い理由
基本的に愛犬には何に対しても飛びつきはしないように教えておいたほうが良いことはご存じだと思います。これもしつけの一つです。
ただ室内での飛びつきであればまだ手に負える程度かもしれませんが、屋外になると危険度がぐっとアップします。
車に対して飛びついたら危ないというのはすぐご想像していただけると思いますが、危ないのは愛犬だけではないんですね。
例えば、力の強い犬でしたら飼い主さんのことを引っ張り倒して怪我をさせてしまうこともあるでしょう。「うちの犬は小型犬だから」とおっしゃる方もいますが、小型犬でも力が驚くほど強い犬もいます。
飼い主さんのことを引っ張り倒す力はなくても、たまたま後ろから歩いてきた高齢者や子供がびっくりして転倒し、転び方が悪くて骨折させてしまうかもしれません。
犬が車などに飛びつこうとする行為は、犬が危ないのはもちろんですが、場合によっては被害者ではなく加害者になる恐れも十分にあります。
しかも車に飛びつこうと夢中になることで興奮状態になり、周囲も見えていないですし飼い主さんの声も届かない状態ではどんな重大なトラブルを起こすかわかりません。
犬がしたことだからでは済まないので、加害者側になると許してもらうために何度も謝りに行く以外にも、治療費だとか慰謝料といった精神的にも金額的にも大きな負担となることが生じます。
何もしないでいるとこういった深刻な事故やトラブルを招くことになりますので、しっかりと対策をしていきましょう!
犬が走るものを追いかける時の対処法
犬がお散歩中に車や自転車、バイクなどに急に飛びつこうとするのは、野生時代からのなごりなど、本能を刺激するようなことが理由にあることをご紹介しました。
しかし、散歩中に度々飛びつこうとされては飼い主さんも困ってしまいますよね(^_^;)
飛びつくこともそうですが、普段はおとなしい犬でも、何かにとても興味を惹かれてしまったり驚いた時、興奮した時などに急に走りだしてしまうこともあります。
犬が走るものに対して強い興味を持ってしまい追いかけようとする時の対策について解説していきたいと思います。
- 犬に我慢を教えていく
- 悪いイメージを変える
犬が車に飛びつく理由として本能と恐怖と飼い主の勘違いだとご紹介しましたが、できるだけあなたの愛犬がどの理由で車に飛びついているのか分かっているほうが対処がしやすくなります。
その他にも喜び・興味・要求・序列確認などいろいろな心理も働きますので、それらも踏まえてあなたの愛犬の場合の理由を知るように心がけてください。
初めのうちは飛びついたときに慌てないで冷静に観察し、どんな状況で飛びつきがあるのかメモを取るなど情報を集めるようにしてみましょう。
それでは、それぞれの対処法について具体的に解説していきたいと思います。
犬に我慢を教えていく
これは簡単に言うとコマンドでコントロールできるようにすることと、リーダーウォークでお散歩ができるようにすることです。
コマンドでコントロールできるようにするというのは言葉でいうと簡単に聞こえますが…これは結構難しいことです。
ここで大切なコマンドはオスワリとマテになりますが、食事前のタイミング以外のどこででもオスワリとマテのコマンドができるようになることが必須です。
食事前のタイミングではオスワリやマテが必ずできるのに、それ以外はできる時とできない時があるというワンコさんがとても多いんですよね。
なぜオスワリとマテが必須なのかというと、犬が車に飛びつくそぶりを見せた時にオスワリやマテをさせることで飛びつきを予防することができますし、犬の興奮も落ち着かせることができます。
それに飼い主に関心を向けさせることで、車へ向ける関心を薄められてコマンドもちゃんと聞く姿勢になります。
車や自転車を見つけたら、飼い主が愛犬に声をかけて自分の方に注意を向かせて、飛びつこうとするのを防ぐ訓練をしましょう。
訓練のはじめはごほうびなどを使うのもいいです。
犬の近くを素早いものが走り抜けても飛びつこうとしなかったら、しっかり褒めてあげて飛びつかないようしつけることが大切です。
次のリーダーウォークでお散歩ができるようにすることというのは、犬が飼い主の真横を歩くようにしつけることです。
突然飛びつくことなども想定して、しっかり制止できるようにリードはいつもしっかり持っているようにしてください。
お散歩中の行動の主導権を握るのは飼い主であるあなたです。
普段から、犬に引っ張りまわされたり犬次第の歩き方をするなど犬に主導権を握らせないように注意しましょう。
リードは短めに持って、飼い主と犬が平行に進むような歩き方がベストです。
悪いイメージを変える
これは車を怖がって過剰の反応する犬の場合に、車に対する怖いイメージを変えてあげることで、恐怖による飛びつきなどを防ぎます。
恐がっている状況や深刻度にもよりますが、例えば車を前にしたら怖がる前におやつなどをあげて、怖いから嬉しいに犬の意識をシフトできるようにしていきます。
もちろんこれは一度や二度やったくらいでは効果はありません。根気よく何度も何度も続けていきましょう。
その他にも車に慣れさせる方法として、ステップアップで徐々に慣れさせる手段もあります。
こちらは社会化が不足している犬や、もっと社会化を進めたいと考えている場合にチャレンジしてもらうとよいと思います。
車が止まってたくさんの人たちと一緒に渡れば怖くないことを教えます。
こんな感じで段階を踏んで車に慣れて行ってもらいます。もちろんこれは数回やったくらいで慣れると思わずに、何度もやっていくことで慣れていくので焦らないようにチャレンジしていってくださいね。
犬の我慢を教えるところでご紹介した「待て」はしつけとしてもしっかりと覚えさせておきたいものです。
次は待ての教え方と注意してほしいことをご紹介します。
犬に待てをしつけたい理由とは?
「待て」は必ずしつけたいものの1つです。
車の飛びつきへの対処としてもそうですが、日常生活において待てができると飼い主さんにとってどんなメリットが有るでしょうか。
それは、例えば信号待ちの時に「待て」で待たすことができると、急に飛び出すということを防ぐことができます。
これは、愛犬にとってもそうですが、車側にしても危険なことですから大切ですよね(^^)
車の飛びつき以外にも、予測できない愛犬の動きというのはたくさんありますので、コマンドでコントロールできるようにしておくことは愛犬の命を守ることにもつながります。
あと、散歩中に他の犬に会った時、飛びついていきそうになった時にも待ての合図でちゃんと待てるようになると飼い主さんとしてはずいぶん安心できます。
このように、「待て」の合図は室内よりも外出中にちゃんと聞いて欲しい号令の1つなんですね。
でも、待ての合図をしつける時って食事の前に訓練している人が多いようです。
これでは、食事は「待て」で待つことができるかも知れませんが、外出先で「待て」ができない子が出てきてしまいます。
食事の最中にしつけるものじゃないの??
そう!
待ての合図は食事前などにしつけるのはあまり良くないんです!
それではどうやって待てをしつけるのかご紹介しましょう(^^)
愛犬には食事以外で待てを教えよう!
食事前に待ての訓練をしていたらいったいどうなるでしょうか?
食事の前に待てと言われたら待てば食事がもらえるんですから、ちゃんと待てるかもしれませんね。
でも、外出先で目の前に食事がないのに「待て」と言われても、食べ物がないんですから「待て」をする意味が無い・・・
あなたの愛犬はこう考えてしまうんです。
食事前に待ての訓練をしていたら、それは「待て」ではなく「おあずけ」の訓練をしているということなんですね。
ですから、食事以外で待てを教えるようにしていきましょう。
あなたの愛犬にとってごほうびは食事だけじゃありません。
飼い主さんになでられたり褒めてもらったり、かまってもらうなどみんなごほうびになります。
お散歩大好きなワンちゃんだったらお散歩もごほうびになるんですね。
ですから、食事以外の場面でも十分待てをしつけることができます。
お散歩に行く前、お家をでたところで「待て!」と言ってその場で待たせます。
そして、ちゃんと待てができたらうんとたくさん褒めてあげて、それから散歩に出かけるというのもいいでしょう。
楽しい遊びの最中に待てをさせて、それができたらたくさん褒めてまた遊びを再開するのもいいですね♪
このように、なるべく室内で待てをしつけるのではなく、外出先で待ての練習をするようにしてください。
今まで、もう食事で「待て」を教えちゃったよ!
という方は、「待て」という言葉を変えて教えるようにしましょう。
例えば「ステイ」などでもいいですね♪
あなたの愛犬にとって、待てが食事前の合図になっている可能性がある時は、違う言葉でしつけるようにしないと混乱してしまっていうことが聞けないようになります。
しつけたい号令は、愛犬にわかりやすい短い言葉を選んでください。
そして、全てを統一することが大切です。
外で待ての号令は「ステイ」に統一する。
もちろん家族全員同じ言葉を使わないとダメですよ。
食事以外で「待て」ができるよう、あなたの愛犬に教えてあげてくださいね♪
トレーニングのコツですが、犬の集中力が続くのは15分程度です。
個体差があるものなので、あなたの愛犬はどれくらい集中力が続くのか計ってみておくとよいでしょう。
そして一番大きなコツというか大切なことは、愛犬をしつけるという意識よりも信頼関係を築くという意識を持つことです。
よくしつけがうまくいかないというご相談をいただくのですが、「しつけをしないといけない」という責任感が強く、どうやっていうことを聞かせようかとお悩みになっていらっしゃるようです。
でも、しつけというのは信頼関係が築けているとびっくりするほど簡単にできるようになります。
飼い主として信頼される行動ができているか?安心して頼れる接し方をしているか?という点を意識してよい関係を築くようにしてください!