狆(チン)犬の値段は?吠える?性格からしつけまで徹底解説!

狆(チン)はどんな性格なの?

日本初の世界公認犬種である狆(チン)。

かなり古い時代から日本で愛されてきた室内犬である狆についてご紹介します。

狆(チン)のお値段の相場や、おとなしいと言われているけど本当に吠えないのか?という部分もしっかりご紹介していきますが、狆(チン)に対する理解を深めるためにもまずは狆(チン)の性格からみていきましょう。

狆の性格というと、利口で人なつこくて遊び好き。

抜け毛や体臭も少なくて、噛み付いたり悪ふざけをして建具を傷つけるようなこともありません。

とても大人しくて、飼い主のことをこよなく愛し、忠実な性格です。

さらに最初から愛玩犬として飼われていたこともあり、人の気持ちを察して行動ができる聡明なところもあります。

そして、見知らぬ人にも愛想を振りまくなど人懐こく、小さな子にも他の動物にも友好的かつ協調性もあります。

こういう性格だから、大名や大奥でも可愛がられていたんですね(^^)

顔も、愛嬌がある顔をしてますし、被毛がシルクのような豊かな長毛ですから、見た目も優美で気品があります。

小型犬にありがちな攻撃性もないので、よっぽど怒らせるようなことをしなければ人間に対して攻撃することもまずないそうです。

ただ乱暴に扱われることは苦手です。

プライドが高い一面もありますし、飼い主さんの接し方によっては神経質な性格になってしまうこともあります。

ゆったりと穏やかに飼ってあげれば、家庭犬として申し分ない性格と言えます。

オスとメスの性格の違いは?

犬は犬種によってはオスとメスで別の犬種かと思う暗い性格が違う場合があります。

基本的に持っている性ホルモンの影響を受けるものなので、オスは縄張り意識が強かったり攻撃的になりやすい傾向が強いです。

メスのほうが落ち着きがあり性格も柔らかい傾向が強いですが、メスは発情期を迎えると性ホルモンが大きく影響を及ぼしますので驚く行動をとる場合があります。

ただ狆の場合はオスとメスによる性格の違いというのがとても少なく、性別による性格の違いがあまり見られません。

若干、オスのほうが興奮しやすいと言われていますが、飼い主さんにお話を伺うとオスだから興奮しやすいとはあまり思わないとのことです。

狆(チン)が猫っぽいと言われる理由

狆(チン)が猫っぽいと言われていることをご存じでしょうか?

猫っぽいとは昔から言われていることのようで、狆は猫の仲間と言われることもあったようです。

それは「狆」という漢字にも表れていて、この漢字は中国にはない和製漢字で「犬よりも猫に近いと考えられていたということから犬と猫の中間の獣」という意味があったという説があります。

漢字の由来に関してはもう一つの説があって、室内で大切に飼われていたので、名前も「けものへんに中」で「狆」になったともいわれています。

狆は穏やかに飼われるのを好みますので、しつこく構われたりするとさっと距離をとったりします。

犬の場合だと、しつこくされると唸るなどの威嚇をして「やめてほしい」という意思表示をすることが多いように思います。

このさっと距離を置く行動が、猫に近いと言われる理由の一つになります。

その他にも狆は高い所を好んだり、自分でグルーミングをしたあと前足で顔を洗う仕草しますが、これが猫のようだとも言われています。

体の大きさも猫と同じくらいなので、余計に猫っぽいと感じてしまうのかもしれません。

飼いやすさの目安

体高 25cmくらい
体重 2~3kg
価格 下で詳しく説明
原産国 日本
運動量 10分×1回

状況判断が良い⇒☆☆☆☆

社会性・協調性がある⇒☆☆☆☆

健康管理がしやすい⇒☆☆☆☆

訓練されるのが好き⇒☆☆

友好的⇒☆☆☆☆

狆(チン)のお値段はいくらくらい?

狆(チン)はほかの小型犬に比べて、とても入手経路が少ないです。

日本犬なんですが、日本で飼われている個体数も多いわけではありません。

ジャパンケネルクラブの2019年度登録数は35位で352頭だったようです。

1位のトイプードルは73,000頭近くいますから、どれくらい少ないかお判りいただけると思います。

ペットショップでもごくたまに見かけることもありますが、それよりは入手しやすいブリーダーからでもかなり限られてきます。

この希少性も含めて以前は狆のお値段の相場は10~20万円と言われていましたが、現在は30~45万円くらいになっています。

70万円を超える個体がいることも決して珍しいことではありません。

ここら辺のお値段の違いですが、

  • 血統書
  • 人気の毛色
  • 理想的な模様

この3つによって違いが出てきます。

血統書に関しては、ショーなどでチャンピオンをとったことがある両親の血統である証明がされている個体はお値段が高くなります。

人気の毛色に関してですが、狆と言えば白黒(ホワイト×ブラック)の毛色が多いですが、黒の部分が茶色っぽい「白赤(ホワイト×レッド)」の毛色は人気が高くなっているので、お値段も高い傾向にあります。

模様というのは顔の斑模様ですが、左右に均等に入っていて、なおかつ頭の上部から口元にかけて入っている白いライン(ブレーズ)が幅広い方が価値が高いと言われていますのでお値段にも反映されます。

「同じ狆なのになんでこんなにお値段が違うの?」と思った時の参考にしてください。

逆に相場のお値段よりも低価格な場合は「なぜこのお値段なのか?」という理由をしっかり聞きましょう。

狆(チン)の歴史

狆についてさらに理解を深めるために、今度は狆の歴史についてご紹介します。(上の画像・左が狆、右がペキニーズ)

狆(チン)は日本犬として、世界ではじめて公認された犬種です。

中国原産のペキニーズの近縁といわれていて、かなり古い時代に日本に持ち込まれたという説があります。 (朝鮮から贈られた説)

720年に完成した「日本書紀」や787年の「続日本書紀」にも、狆(チン)と考えられる犬が記されているそうです。

ただ狆が日本に来た経緯にはほかの説もあり、「使者が持ち帰った」「戦国時代に日本へ入ってきた」という説もあり、どの説が正しいのかははっきりしていません。

狆(チン)は、古くから日本の高貴な人々に愛されていて、江戸時代には大奥や大名の間で狆を飼育することが流行しています。

徳川綱吉の頃には、江戸城の室内で愛玩されていたとというのは結構有名なお話です。
※綱吉は「生類憐れみの令」の将軍です。

1853年に、黒船でやって来たペリー提督がアメリカとイギリスに持ち帰って、その後欧米でも知られるようになったんだそうです。(犬好きで知られているイギリスのビクトリア女王にも献上されたそうです)

そんな江戸時代に大人気だった狆ですが、日本の開国とともに飼育数が大幅に減少しました。

このお話もはっきりしていることではありませんが、現在日本にいる狆はイギリスなど欧米の愛好家が繁殖させた狆の子孫が逆輸入されたと言われています。

狆は日本犬として認められている犬種ですが、どこか日本人になじみが薄い感じがする(中国原産だと思っている人も多い)のは、狆という漢字になじみがないのを始め

  • 短頭種の顔が日本犬のイメージではない
  • 被毛や尻尾がほかの日本犬と違う

というような「日本犬のイメージ」と違うからかもしれません。

ちなみに「チン」と呼ばれるようになったのには、当時小さい犬を「ちんころ」や短く「ちん」と呼んでいたことや、「ちいさいいぬ→ちいぬ」がさらに短縮されて「ちん」となったと言われています。

ここまででちょっとなじみが薄かった狆についていろいろと分かってきたところで、よくある疑問である「狆は本当におとなしいの?吠えないの?」という点について見ていきたいと思います。

狆は本当に吠えない犬なの?

狆は無駄吠えが少なく、声自体もそんなに大きくないので集合住宅でも飼いやすい犬種だとよく言われます。

もちろんそれは犬種の特徴として間違っていません。

性格のところでもご紹介したように、攻撃性も低くて友好的で穏やかに過ごしたい狆は「吠えない犬」として有名でもあります。

ただ、狆はむやみに吠える犬ではありませんが、決して「吠えない犬」というわけではありません。

実際に狆を飼っている飼い主さんから「無駄吠えをする」というご相談をされたこともありますし、他にも「吠えるので困った」という飼い主さんのお話も聞いています。

犬が吠えるのは感情表現の一つです。

例えば、集合住宅で狆を飼い始めたけど、ちょっと吠えた時に近所迷惑だからとすぐに抱き上げてしまったとします。

この飼い主さんの行動により、狆にとって何らかの要求が通ってしまうことが考えられます。

これを繰り返していくうちに狆は抱っこしてほしい時には吠えればいいという学習をしますので、「吠えて要求をする犬」になってしまいます。

ほかにも、「狆は飼いやすい楽な犬」だからしつけが甘くなってしまったり、そもそも飼い主さんの方にしつけの知識が不十分な状態で飼っていることもあります。

しつけを怠っている状態で飼われている犬は、人間社会のルールではなく犬社会のルールしか知りませんから、気持ちのままに行動するようになってしまうんですね。それが吠えるという行動にも繋がります。

狆は飼い主さんの気持ちを察するくらい聡明な犬ですから、飼い主さんの態度や行動をとてもよく観察しています。

飼い主さんがどうしたらいいかわからずにおどおどした態度をしていたり、するべきしつけを十分にできない飼い主さんの様子を見て、どんどん信用ができなくなってしまいます。

さらに「しつけ」というとマテやオスワリなどの訓練や問題行動への対処を連想する方が多いかもしれませんが、しつけでとても重要なのが「社会化」です。

子犬の頃から十分な社会化をしておいてあげないと、色々な音に敏感に反応してしまったり、せっかく友好的な性格なのに人見知り犬見知りにしてしまうこともあります。

ここまででお分かりいただけるように、狆は吠えることが少ない犬ですが、飼い主さんの飼い方によっては「神経質で吠える犬」にしてしまうことがあるんです。

おとなしい狆に対しても、トイレトレーニング以外の「犬へのしつけ」は必ず行う必要があります。

一通りのコマンドに従える訓練もそうですし、社会化のトレーニングを行って色々な刺激に慣らす必要もあることも忘れてはいけません。

あと、犬はストレスをためると問題行動が増えていきますが、飼い主さん大好きな狆にとって飼い主さんの愛情不足は大きなストレスになる可能性が高いです。(ストレスがたまると吠えやすくなります)

一緒に過ごす時間が少ない・一緒に遊ぶ時間が少ないという場合は飼い主さんの愛情を感じにくくなるので、毎日しっかりと遊ぶ時間を確保してあげてください。

狆本来の「無駄吠えをしにくい」という良い部分を伸ばしてあげるためには、飼い主さんの犬に対する様々な知識を得ることがとても大切です。

狆(チン)のしつけで注意するポイント

狆のしつけは難しいものではありません。

もともと頭が良い賢い犬ですし、飼い主さんに従順なのでしつけはしやすい犬種です。

狆も子犬の頃から行うしつけの内容としてはほかの犬と変わりません。

ただ気をつけてほしいポイントが3つだけあります。

狆のしつけのポイント
  1. 褒めて伸ばす
  2. 社会性を伸ばす
  3. 甘やかしすぎない

褒めて伸ばすというのは、しつけだからと叱ることが多いと、狆と信頼関係を築くことが難しくなることがあります。

狆は乱暴に扱われるのを嫌がるとご紹介しましたが、叱られるのも苦手です。

教えているのにできないことがあるとどうしても厳しく叱ってしまうこともあるでしょうが、繊細でプライドも高い一面がある狆は、怖いと感じた飼い主さんに心を閉ざしてしまうかもしれません。

できるだけしつけで叱ることは少なくし、できたことを褒めて伸ばすようにしてください。

社会性を伸ばすことに関しては「吠えるの?」のところでも触れましたが、人間界の色々なものに動じないで済むようにどんどん慣らしてあげましょう。

社会化訓練の一環としても、積極的に外に連れ出すことも大切です。

暑さ寒さに弱いですので天候や時間は気をつけていただきたいですが、室内で運動が足りていたとしてもお散歩に行き、外の気持ちよさを教えてあげるようにしてください。

社会化は特に子犬にとって大切ですが、成犬になってからも継続して伸ばしていきたいものです。

落ち着きのある穏やかな狆に育てるためにも、社会性を伸ばすことを意識してもらうとよいでしょう。

最後の甘やかしすぎないというのは、狆の可愛さを考えると一番難しいことかもしれませんが…おとなしい狆でも甘やかしすぎるとわがまま犬になります。

わがままになってしまうと、気が向かないとコマンドに従わなかったり、指示を聞かなかったり、吠えて要求することが出てきます。

さらに過度に甘やかすと、分離不安という心の病気にもなってしまう可能性があります。

可愛さに負けて甘やかすことが多くないよう気をつけていただきたいと思います。

狆(チン)がかかりやすい病気と健康面の注意

家庭犬として優れている狆(チン)ですが、健康面で心配なことはないのかみてみましょう。

とても重要なことですが、狆は体温調節が苦手です。

狆(チン)の顔を見てみると鼻先が詰まっていますよね?

パグやフレンチブルドッグなどと一緒の「短頭種」なので、熱い体温を排出するのがうまくありません。

特に熱中症には注意が必要です。

その他のかかりやすい病気もご紹介しておきましょう。

狆がかかりやすい病気
  • 膝蓋骨脱臼
  • 短頭種気道症候群
  • 外耳炎
  • 眼疾患
  • 歯周病など

短頭種気道症候群というのは、短頭種の犬が発症しやすい呼吸関連の症状の総称です。

呼吸に症状が出ますが、呼吸時にガーガーという音がしたりいびきをかいたり運動を嫌がるといった軽度のものから、呼吸困難になるなどの命にかかわる症状まで幅広くあります。

狆を飼い始めたら、できるだけ早めに信頼できる動物病院を見つけて、日頃から獣医師と意思疎通を図り、定期的に検診に連れて行き健康チェック・歯周チェックなど健康管理をしてください。

狆(チン)を飼うときに注意するポイント

狆(チン)を飼うときに特に注意していただきたい「環境」「運動」「肥満」についてご紹介していきます。

環境

狆がかかりやすい病気のところでも触れましたが、狆は短頭種であるために非常に暑さに弱いです。

真夏などはエアコンで空調の管理をしっかりやってあげてください。

犬が快適に暮らせる室温は22度で湿度が60%と言われていますので、夏も冬も適温に近い状態に保つようにしてください。

狆の被毛の構造は少し特殊で、通常犬種ごとに毛が一重のシングルコートと二重になっているダブルコートがありますが、狆は両方の可能性があります。

一般的には狆はシングルコートと言われていますが、ダブルコートになっている個体も少なからずいます。※シングルコートの狆は抜け毛が少ないですが、ダブルコートの狆はそれなりに抜け毛があります。

ご自身の愛犬がどちらの毛の構造なのかを把握して、温度管理をしていく必要があります。

ちなみに1人でお留守番をさせるときも、エアコンは必須ですし、車の中に閉じ込めておくのも絶対にNG!!です。

環境については床のすべり止め対策もしておいてください。

長い被毛の狆は自分の被毛を踏んで滑ることがありますし、短くカットしていても被毛が伸びるので足を滑らせ安いです。

狆の骨格はあまり強くないので、滑る床を歩くことで膝蓋骨脱臼にもなりやすいですし、間接に負担をかけてしまい関節炎の原因になることも考えられます。

カーペットやコルクボードを敷くなど、安心して室内で歩いたり走ったりできるように整えてあげてください。

運動

狆は活発ですし遊びは好きなんですが、体が小さく穏やかな性格なので運動としては毎日の短めの散歩と、室内で遊んであげるくらいで大丈夫です。

狆は短頭種で呼吸がしにくいため、激しい運動をさせるのはあまりよくないんですね。

「室内で飼われる愛玩犬」として誕生していますから、骨にとっても運動のさせすぎは良くありません。

お散歩は社会性を育むためにも連れて行った方が良いですが、運動が目的というよりも心地よい刺激を与えるためだと考えてください。

運動欲求を満たすのは室内の遊びでストレスを発散しますので、室内遊びは充実してあげることを心がけてください。

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肥満

運動でご紹介したように、狆はたくさん運動させる犬種ではないため、体を動かしてカロリーを消費する犬ではありません。

ですから、狆は肥満になりやすいと言われています。

おとなしくおねだりされてしまうとどうしてもおやつをあげたくなる気持ちもわかりますが、運動で消費できませんので注意が必要です。

食事も肥満にさせないよう腹八分目くらいを基本にするようにし、もし食べ残していても、20~30分で片付けてしまってください。

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狆は長い時間一人で放置されるのでなければ、少しくらいお留守番をさせてもストレスを貯めて問題行動をおこすということも少ないです。

ただ、落ち着いてお留守番ができるためには必ず飼い主さんが帰ってくるというのがわかっている必要がありますので、お留守番のトレーニングをしっかりと行っておきましょう。

体が小さいですし、散歩もたくさんの量ではないので、お年寄りや女性でも大きな負担がなく飼える犬です。

初心者さんにもオススメできる、誰にでも飼いやすい犬種です。

  • 暑さや湿気などの空調管理はバッチリ!
  • 愛犬の健康管理はしっかりできる!
  • 落ち着いて犬と穏やかに暮らしたい!

という人に向いています。

あまり激しい動きを要求したり、外で犬と一緒に遊びたいというような「犬とアウトドア派」の人にはあまり向いていないかもしれません。

日本犬なのに日本人になじみ深いとは言えない狆ですが、思慮深く周りに気遣える性格は日本人に通じるところがあります。

狭い日本の住宅事情にも適していますので、ぜひもっと多くの方が狆の魅力を再認識していただければと思います。

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