犬の細菌やカビによる皮膚病の治療は?人にもうつる?!
【この記事の所要時間:約 4 分】
皮膚の病気の中には、細菌やカビによるものがあります。
このような皮膚病になるとどんな治療をするんでしょうか?
薬や副作用は?人間にうつるってホント?
細菌やカビによる皮膚病についてご紹介します。
「皮膚も綺麗に薬浴できたけど・・・この姿は見られたくないわね(^_^;)」(笑)
細菌による皮膚病(膿皮症)とは?
わたしたちの肌もそうなんですが
皮膚には常在菌という細菌がいます。
細菌というと「なんかイヤ~」
と思ってしまうかもしれませんが、
この常在菌がいるからこそわたしたちの肌は
外部の悪い菌から守られているんです。
常在菌の種類は恐ろしく多く、
その種類も量も人によって違います。
常在菌は、わたしたちの皮膚から出る皮脂や
汗をその中に取り入れて酸を出します。
ですから健康な皮膚は弱酸性なんですね。
悪い菌はアルカリ性を好みますから
弱酸性のお肌でいれば、悪い菌が増殖したり
体内に進入することができないということです。
このように常在菌はいないといけない菌であり
愛犬にももちろん常在菌はいます。
しかし、抵抗力が落ちていたり、
皮膚炎などを起こしていると、
悪い常在菌が異常に増殖してしまいます。
これが膿皮症(のうひしょう)という皮膚病で
犬には大変良く見られる皮膚のトラブルになります。
膿皮症の症状や治療薬
最初は皮膚の表面に赤い発疹がみられます。
それがじょじょに広がってきて
中心が真っ黒になり、強いかゆみがあります。
進行が進むと皮膚が膿んできますし
悪臭があったり、発熱が見られることもあります。
治療法は犬用のシャンプーで洗った後、
抗生物質を服用したり、塗布するようになります。
抗生物質としては、
- セファゾリン
- セファレキシン
- アンピシリン
- クラブラン酸アモキシシリン
- ペニシリンG
などがよく使われる抗菌薬になります。
<副作用>
抗菌薬の長期間の使用は、
アレルギー反応を起こすこともあります。
アレルギー反応でこわいのは
アナフィラキシーショックという強い反応です。
セファゾリン、セファレキシンは
アナフィラキシーショックをおこすことが少ないので
よく使われる抗菌薬です。
抗菌薬は長期間使用してしまうと
腸内細菌のバランスを乱してしまうので
下痢などの症状が出ることがあります。
連続使用は7~10日が目安です。
カビ(真菌)による皮膚病(皮膚糸状菌症)とは?
真菌(カビ)による皮膚病が
皮膚糸状菌症です。
子犬やけの生え変わる時期に
発症することが多い皮膚病です。
そして皮膚糸状菌症は人間にも感染します。
どうして人間にも感染するのかというと
わたしたちの水虫の原因の白癬菌に
近い真菌だからなんですね。
人間に感染した場合には
タムシのような皮膚炎を起こしてしまいます。
皮膚糸状菌症の症状と治療薬
感染した部位が円形に脱毛し、
脱毛したところにかさぶたが出来ます。
この皮膚病は脱毛が広がっていきますが
痒みはほとんどないという特徴があります。
顔や目の周囲、耳などの
皮膚がやわらかいところに感染しやすく
真菌は胞子をまきちらすので
周囲に広がりやすいですし
回りにいる犬や猫にも感染させてしまいます。
治療は全身の被毛を刈り取り
全身を治療します。
薬浴をしたり、全身に塗る薬をつけ
内服薬を飲ませます。
この時に使われる薬を抗真菌薬といい
真菌を殺菌する作用があります。
- トリコマイシン
- アムホテリシンB
- ナイスタチン
- イトラコナゾール
- エコナゾール
- ミコナゾール
- ケトコナゾール
- フルコナゾール
などの抗真菌薬が使われます。
<副作用>
トリコマイシンは多くの真菌に効果が高いですが
強い腎臓障害が現れやすいことも知られています。
最近では副作用を抑えた薬が
開発されていますが腎臓に対しては
注意しながら使用する必要があります。
イトラコナゾールから下の薬は
比較的副作用が少ないため
こちらのほうがよく使われているかもしれません。
副作用が少ないんですが、でも
消化器系に作用して、嘔吐や食欲不振が
見られる場合もあります。
最後に
3回にわたって、皮膚の病気について
症状や治療薬についてご紹介してきました。
皮膚の病気は共通して、
脱毛や発疹、かゆみなどの症状が多く見られます。
確かに薬を使う場合は副作用に
注意をしないといけないんですが、
副作用を怖がって薬を使わないとなると
症状が治せないですからね(^_^;)
大切なのは、もし愛犬が薬を飲んでいて
副作用と思われるような症状が出たら
すぐに獣医さんに報告し、改善してもらう
という行動をとることです。
特に皮膚病はかゆいのがつらいですからね(T_T)
皮膚に異常があったり、かゆそうなしぐさをしていたら
早めに動物病院を受診して、
症状がひどくならないうちに治してあげてくださいね♪
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