ボーダーコリーが飼いにくいと言われる理由
優れた運動能力を持つボーダー・コリー。
牧羊犬の中でも、最も作業能力が高いと言われている犬種です。
自分が役に立つことが大好きな賢い犬です。
こんなに優秀なボーダーコリーが「飼いにくい」を言われている理由をご紹介していきます。
- 飼い主として認識していない人の言うことは聞かない
- 力で抑えつけるしつけをすると反抗する
- 攻撃的かつ警戒心が強い面がある
- 動く物を反射的に追いかける特徴がある
- ある程度広い飼育スペースを確保する必要がある
ボーダーコリーが飼いにくい理由としてよく言われるのが「賢すぎるため飼いにくい」ということですが、「賢すぎる」を具体的に言うと上記のような理由になります。
まず、ボーダーコリーは情報を収集する能力が長けていて、その情報を処理する能力も高い犬種です。
飼い主さんの行動・態度も情報の一つに入りますので、非常に良く飼い主さんを観察しています。
この人は信頼できる人か?安心して従ってもよい人か?愛情をくれる人か?などなど、興味津々で注目しています。
ボーダーコリーは観察して得た情報を処理して判断しますので、「信頼できない人」と思ってしまうとその人に興味を示さない一面があります。
多くの場合、ボーダーコリーを迎えるのは子犬の時からだと思いますが、子犬の時から「しつけ」を通して信頼関係を築けないと、飼い主さんに興味がわかず自由奔放に育ってしまいます。
小型犬と違って体も大きくパワーもありエネルギッシュな犬ですから、自由かつ指示に従う気がない状態にしてしまうと手に負えなくなります。
頭の良さは良く導けば非常に優秀になりますが、悪い方向に向かってしまうと悪知恵にもなります。
正しいしつけと信頼関係のどちらかが不足していると、やんちゃ盛りの6ヶ月くらいになると暴れまわってイタズラし放題の「飼いにくい犬」にしてしまいます。
このやんちゃで手が付けられない犬にしないようにということで、子犬の頃からとにかく厳しく接するというしつけの方法を推奨する人もいます。
最初に言ってしまうとこのような力で抑えつけるようなしつけの方法は間違っており、逆効果にもなります。
厳しく接して犬になめられないように行動するという考え方が基本のしつけというのは確かに一昔前までありました。
「飼い主は強く逆らってはいけない」と力で抑えつけるようなしつけは、上下関係は築けるかもしれませんが信頼関係を築くのは難しい方法です。
頭の良いボーダーコリーは自分で状況を判断できるので、力で抑えつけなくても信頼する相手に対しては「どうすれば喜んでくれるかな?」「どう行動すればいいのかな?」と考えて行動できます。
それなのに頭ごなしに力で抑えつけるようなことをされると反発する気持ち・反抗心が芽生えてしまうんですね。
反抗的になってしまうと、従いたいという気持ちは萎えてしまうので「飼いにくい犬」になってしまいます。
そもそも、牧羊犬というのは羊を追いまわして、全体を見ながら違う方向に行く羊をいち早く見つけてその行動を修正させるという仕事です。
そのため、牧羊犬は攻撃的で警戒心が強いことが必要でした。
優しくておっとりしている犬では、牧羊犬が務まらなかったんですね。
牧羊犬として非常に優秀であったボーダーコリーは、他の牧羊犬の犬種よりも状況を判断できるので穏やかだと言われていますが、攻撃的な部分も警戒心が強い部分も持っています。
力で抑えつけて反抗的になった時や、力で抑えつけられすぎて恐怖を感じた時などに唸る・噛むといった攻撃行動に出ることがあります。
そして安心して生活ができていないと知らない人に対する警戒心が強くなるので吠えやすくなることもあります。
もう一つ牧羊犬の特徴として「動く物を追いかける」というものがあります。
これも牧羊犬として必要な能力だったわけですが、現代社会ではケガや破壊や事故などにつながる危険な行動です。
特にお散歩中に、急に車道の車を追いかけようとしたり、バイクに反応したり、自転車に飛びついたりしやすいです。
力も強く瞬発力もあるボーダーコリーですから、これは大変危険なことはお分かりいただけると思います。
マテや止まれといった基本的な指示に即座に従える、リーダーウォークで飼い主さんに注目して歩くといったしつけの部分がしっかりしていないと、毎回のお散歩が気疲れし「飼いにくい」と言われてしまいます。
ここまではしつけや性格・特徴からボーダーコリーが飼いにくいと言われる理由でしたが、今度は物理的な広さの問題です。
好奇心も強いボーダーコリーがイタズラや誤飲をしないように、留守番の時や来客で目を離す時などゆっくりできるパーソナルスペースが必要です。
体が大きい分広いスペースが必要ですし、さらに室内で遊べるスペースも必要です。
ボーダーコリーにとって室内で頭を使った遊びをすることは絶対的に必須なんですね。
その理由については後の「ボーダーコリーの散歩をしないとどうなる?」の部分で詳しく解説させていただきますが、室内で遊べるスペースは必ず確保してください。
日本の住宅事情もありますし、おとなしいタイプの小型犬を飼うのと違い、物理的に広いスペースを確保しなければいけないのも「飼いにくい」と言われる理由の一つになるでしょう。
このような理由があるのでボーダーコリーは飼いにくいと言われてしまっています。
そしてあってはいけない悲しいことですが、ボーダーコリーは飼育放棄が多い犬種でもあります。
この飼いにくい理由でも触れている「飼い主さんとボーダーコリーがしつけを通して信頼関係を築く」という部分ができないとボーダーコリーが凶暴化してしまう可能性があります。
凶暴化してしまう原因についても解説しますが、それを理解しやすくするためにも先にボーダーコリーの性格についてご紹介していきます。
ボーダーコリーの性格は?
ずば抜けて優れた運動能力と、驚異的な瞬発力と躍動力、俊足を持っています。
均整のとれた、優雅でなめらかなしっかりした体型。
かなりの重労働をこなし、スタミナ抜群で耐久力に富み、粘り強く、機敏で聡明。
注意深くて責任感があり、たいへん従順で無邪気で人懐こく、優しくて明るくて我慢強い性格をしています。
そしてボーダー・コリーは、本当に頭がいいです。
羊の群れをコントロールするのも、しっかり自分で考えて状況判断をして、思う方向に追い立てるわけですから賢くないとできませんよね。
賢さについてですが、パピヨンの記事の「パピヨンの人気ない理由1」でもご紹介しましたカナダの心理学教授のスタンレー・コリー博士によってIQテストによって犬種ごとの知能指数ランキングが発表されました。
パピヨンが人気ない理由は吠えるから?特徴からみる子犬の飼い方!
その知能指数ランキングで栄えある1位に輝いたのがボーダーコリーです。
優れた知能は人の言葉を1000以上の単語として覚えられることもわかっています。
犬の知能は人間の3~4歳と言われていますが、ボーダーコリーは5歳児くらいの知能を持っているともいわれています。
このようにボーダーコリーの頭の良さは、科学的にも研究発表されているんですね。
頭の良さは性格にも反映されます。
賢いボーダーコリーは信頼する飼い主さんや家族に対しては愛情深く接し、出された指示を喜んで従う素直さを持っています。
ただ、子犬の頃などやんちゃな時期は、頭の良さが「ずる賢さ」に繋がってしまう一面もあります。
賢い犬は正しく訓練をしたり、しつけをしてあげないと、賢さゆえ「飼いにくい犬」になってしまう可能性も高いのです。
ボーダーコリーは迎えた瞬間から、常にしつけを意識できる人、正しいしつけ方ができる人でないと、愛玩犬として飼える犬種ではありませんので、飼い主さんの意識の高さが必要です。
と言っても何も変わったしつけをしなきゃいけないわけでもなく、常に構っていなければいけないわけでもありません。
そういうところを全部含めて適切に犬を育てることができ、適切な環境を整えてあげることが、本来の性格が良くて従順で愛情深いボーダーコリーにしてあげるポイントです。
犬の性格というのは、犬種としての性格だけで決まるものではありません。
一番大きな部分は迎えてからの育て方、子犬の時のしつけのやり方、飼い主さんの犬に対する知識、正しい接し方でかなり大きく変わってきます。
賢いボーダーコリーは、飼い主さん次第で性格や行動が大きく変わってくる犬であることが最大の注意点になるでしょう。
さて、性格についてご紹介してきましたが、この最大の注意点を知っていただいて予想されるように、飼い主さん次第で「凶暴化」してしまうケースがあります。
次は、どうして狂暴化してしまうのかについて詳しく見ていきたいと思います。
ボーダーコリーが凶暴化してしまう原因
子犬の時は、ボーダーコリーに限らず犬はやんちゃな時期があります。
小型犬に比べて、ボーダーコリーは子犬と言えど体が大きめですし、持ち前のパワフルさや運動神経がありますので、小型犬の子犬のやんちゃな時期と比べると「凶暴」だと感じてしまうところがあるかもしれません。
また成犬になっても、おもちゃの遊び方や遊びへの誘い方が激しいので、「凶暴」だととらえられてしまう部分もあるでしょう。
しかし今回の「凶暴化」というのはそういうものではなく、唸ったり噛んだりといった攻撃的な行動を伴うボーダーコリーの凶暴化についてです。
- 運動欲求が満たされない
- コミュニケーション不足
- 間違った学習をしてしまった
- 間違った考え方のしつけをしてしまった
- 病気によるもの
最初のボーダーコリーが飼いにくいと言われる理由のところでも触れましたが、「牧羊犬」はそもそも攻撃的で警戒心が強いという特徴を持っています。
もちろん正しく飼ってあげれば、飼い主さんや家族に対して攻撃的になることはありません。
ただ、牧羊犬は広い牧場でたくさんの羊を追いまわす仕事をしていたため、とてもタフで運動が必要な犬種ですが、運動欲求が満たされないとそれがストレスになり、持ち前の攻撃的な部分が強く出て気性が荒くなることがあります。
このように書くと誤解をされるかもしれませんが、ボーダーコリーを飼ったらとにかく運動をさせればよいわけではありませんし、毎日膨大な散歩が必要なわけでもありません。
この部分は、あとの「ボーダーコリーの散歩をしないとどうなる?」のところで詳しくご紹介しますが、適切な運動をさせてあげられていない(運動欲求を満たしてあげられない)とストレスから狂暴化してしまうことが多いということです。
人間もそうですが、犬もストレスを感じますし溜めやすく、ストレスが溜まったことにより情緒が不安定になり凶暴化することがあるんですね。
ストレスで言うと運動のほかにコミュニケーションが不足することはボーダーコリーにとってつらいことです。
人間とコミュニケーションをとることが好きな犬種なので、かまってあげずに放置することが多いとストレスになります。
ボーダーコリーを飼っている人のお話を伺うと、もしかしたら運動によるストレスよりもコミュニケーション不足によるストレスのほうが大きい気がするとおっしゃる方が多いです。
牧羊犬として人間の役に立っていた時と違って、現在日本で飼われているボーダーコリーは家庭犬なので飼い主さんからの指示が少ない状態です。
ボーダーコリーとのコミュニケーションというのは、飼い主さんは指示を出し、ボーダーコリーは出された指示に従う・できるだけ喜ばれるよう指示をこなすということで成り立ちます。
もちろん撫でたりブラッシングをしたりというスキンシップもコミュニケーションになりますが、ボーダーコリーが望むのは「指示」によるものの方が強く、できたことによって飼い主さんから褒められることで大きな喜びを感じます。
ドッグスポーツに向いているとお伝えしましたが、フリスビーをやっている時もアジリティをやっている時も、本当に生き生きしていますよね。
しかし、飼い主さんが指示を出してくれない、遊んでくれない、放っておかれることが多いと、ボーダーコリーは大きなストレスを感じ、心が病んできて凶暴化してしまうようになります。
間違った学習をしてしまったということについてですが、賢いボーダーコリーは正しい行動も間違った行動も覚えてしまうのが早いです。
この正しい行動や間違った行動というのは人間側から見てのことですから、ボーダーコリーの方はそういった意識はあまりありません。
飼い主さんの接し方や行動で、自分の行動が「良かったんだ」と学習してしまうんですね。
唸ったタイミングが面白かったり、唸った顔が可愛かったりすると、人間はもう一度同じことをさせようとするところがあります。
そうすると賢いボーダーコリーは、すぐ唸ることが正しい行動だと間違って学習します。
何らかの理由で噛んだ時に、飼い主さんが正しい接し方ができないと、噛むことはいけないことだという学習ができずに、よく噛む犬になってしまうこともあります。
飼い主さんのしつけも同じことが言えますが、ボーダーコリーにはしつけが大切だということはわかっているので一生懸命しつけに取り組むことはとても良いことだと思います。
ただ、そのしつけによって犬がおびえやすくなり、怖いから従うというようなしつけをしてしまうと、思いがけない刺激が引き金になって本気で噛む犬にしてしまいます。
体罰をする(体罰と思われる行動をすることも含む)・むやみに厳しくする・犬になめられないように行動しようとする・しょっちゅう怒るなど、すべて「犬が恐怖に感じること」です。
間違った上下関係を作ろうとする飼い主さんの行動は、犬を怯えさせ、飼い主を信頼するどころか、恐怖の対象にし、防衛本能から吠える・噛むなどの防御攻撃をさせてしまいます。
「飼い主さん」は犬を育てている以上、犬の「親」です。
ボーダーコリーを凶暴化させないためにも、間違っても「毒親」にならないように気をつけていただきたいと思います。
サインに気づいて!犬が服従心を表すポーズは?安心し信頼している時のしぐさは?
最後に病気によるものにも触れておきたいと思います。
ボーダーコリーは、セロイド リポフスチン症(CL)という病気にかかる可能性があります。
聞きなれない病名かもしれませんが、症状として視覚障害、方向感覚の喪失などの運動障害があり、「見えない・わからない」ことに恐怖心があおられて狂暴化することがあるようです。
病気による凶暴化は、病気の治療などを含めて獣医師と相談しなければいけないことなので、何らかの不調やいつもと違うと感じたことがあったらすぐに動物病院で診てもらうようにしてください。
ボーダーコリーの凶暴化といった怖い話になってしまいましたが、ボーダーコリーは賢いからこそ正しいしつけの重要さをご理解いただけたと思います。
次は、その重要なしつけの部分についてご紹介していきたいと思います。
ボーダーコリーのしつけのポイント
ボーダーコリーはとてもしつけの入りやすい犬種です。
それは何度もご紹介した通り「頭が良い」ですし、従順ですから正しいことを伝えられたらちゃんと覚えてくれるんですね。
警察犬として活躍しているジャーマンシェパードドッグよりも、ボーダーコリーのほうが訓練性能が高くしつけが入りやすいと言われているほどです。
ですからボーダーコリーを飼っている飼い主さんたちはしつけに対する意識が非常に高く、子犬の時だけでなく成犬になってからもずっとしつけについて学び続けている人が多い傾向にあります。
しつけをするうえで大切なことはたくさんありますが、その中でも特に大切にしなければいけないポイントは「しつけを通して愛犬と信頼関係を築く」ということです。
信頼関係・正しい主従関係というのはとてもよく聞かれると思います。
言葉で言うのは簡単だけど、「実際にどうすればよいのかがわからない」という人が多いのが実情です。
でも、やり方を知ってしまえば、実にシンプルですし、誰にでもできることなので安心してください。
本来は、飼いにくいと言われるボーダーコリーに限らず、小型犬でもしつけのやり方は同じです。
決して難しいことはありませんが、正しい情報を得られるかどうかという点が難しいかもしれません。
というのも、ネット上にはたくさんの情報があり、一昔前に言われていた情報も含まれていますし、正しいしつけの方法かどうかわからないことが多いです。
さらにしつけ教室であっても1から10まで教えてもらうことは難しい部分があります。※しつけに対する考え方など、座学で必要な知識を網羅して教えてくれるところはほとんど見かけません。
ボーダーコリーのような高い知能を持つ犬種は余計、正しいことも覚えますが、間違ったこともすぐに覚えます。
「しつけの正確性が最も求められる犬種である」という言われ方もします。
間違ったことを覚えてしまうと、「しつけをする」ではなく「しつけのし直し」になってしまうので、格段にしつけが難しくなってしまうんですね。
ここにボーダーコリーが飼いにくいと言われる原因がありますし、初心者に向かないと言われる理由になります。
しかし、しつけ方を知っていれば、普通以上に覚えが良いためしつけがしやすく、素晴らしい家庭犬になる犬種です。
ボーダーコリーが飼いたいと考えられている方は、飼う前に下の記事を参考にして、正しいしつけの情報を得ておくことを強くお勧めします。
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「そういうのはちょっとめんどくさい…」と思ってしまうなら、ボーダーコリーを飼うとお互いに苦労しますので、向いていないかもしれません。
ボーダー・コリーは飼い主を信じて、どんな命令にも服従しますから、飼い主さんはわかりやすい指示で、一貫性を持って接することが大切です。
ボーダーコリーを飼いにくい犬にしてしまうのも、凶暴な犬にしてしまうのも、(病気の原因を除けば)飼い主さん次第ということは忘れてはいけない部分だと思います。
ボーダーコリーの散歩をしないとどうなる?
数ある牧羊犬の中でも、牧羊犬の代表選手といえるのがボーダー・コリーです。
運動欲求が満たされていなかったり、能力が発揮できないとストレスから色々な問題行動をおこすようになるということはご紹介しました。
「運動欲求を満たす」=「とにかくたくさん運動させる」と思われてしまいがちで、飼い主さんは自転車に乗ってお散歩をさせているという話を聞くことも珍しくありません。
ただ運動欲求を満たすということはとにかくたくさん運動をさせるということではありません。
ここを勘違いして、とにかく毎日たくさん走らせていると、骨や関節を痛めてしまうこともありますし、ボーダーコリーもただ疲れるだけで「欲求」の部分を満たせていないケースも少なくありません。
この運動欲求を満たすためには、ただ走らせるというよりもできるだけ「仕事の要素のある遊び」を取り入れてあげるようにすると満足します。
ボーダー・コリーは、自分の役割やできることがあれば、役に立とうとしていくらでも頑張る、頑張り屋さんですからね。
普段の散歩は、何も長距離を歩くことよりも、歩いている途中で急に立ち止まって指示を出したり、歩くコースをしょっちゅう変えたり、といった頭を使ったり刺激を与える質の高い散歩にしてもらったほうが充実したお散歩になります。
そしてできればお休みの時にはドッグランに言ったり、ドッグスポーツに挑戦してみるなど、高い運動能力を発揮させてあげることが望ましいです。
ボーダーコリーは犬の競技会である、アジリティーやフリスビー大会に活躍の場を求め、飼い主の命令を忠実に果たし、常に上位に入賞を果たしています。
飼い主さんと一緒に濃いコミュニケーションがとることができ、一緒に達成感を味わえるのできずなも深まります。
また、ボーダーコリーの運動欲求を満たすのは何もお散歩だけではありません。
ボーダーコリーの飼い主さんが口をそろえておっしゃるのが、「室内遊びが必須」ということです。
毎日30分から1時間くらい、一緒に室内遊びをする時間をとることが望ましく、時間がない時は10分でもよいから時間を作っていただきたいと思います。
室内遊びは外で体をたくさん使って遊ぶ時よりも、飼い主さんに関心を強く寄せますので信頼関係を築くポイントにもなります。
飼い主さんの指示に注目し、しっかり従うことで飼い主さんに褒めてもらえるというコミュニケーションの部分に集中しやすい状態なんですね。
そしてお外よりダイナミックな動きはできませんが、頭を使った遊びをさせることで作業欲求が満たせて、精神的にも落ち着けるというメリットもあります。
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豊富な運動量を持つボーダーコリーに毎日の散歩はもちろん必須で、運動することができなければ大きなストレスを感じてしまうのはもちろんのことです。
しかし、お散歩の仕方を間違えたり、効果的なお散歩ができなくてもボーダーコリーのストレスになりますし、しっかりと室内遊びの時間をとってあげないことも信頼関係に繋がってきます。
ボーダーコリーを飼う場合は、「適切な運動をさせること」を特に心掛ける必要があるということを覚えておいていただければと思います。
歴史や値段や寿命などボーダーコリーの特徴
体高 | オスは53cm(メスはちょっと小さめ) |
体重 | 14~20kg |
価格 | 15~25万円 |
原産国 | イギリス(スコットランド) |
運動量 | 30分×2回 |
状況判断が良い⇒☆☆☆☆☆
社会性・協調性がある⇒☆☆☆☆
健康管理がしやすい⇒☆☆☆☆
訓練されるのが好き⇒☆☆☆☆☆
友好的⇒☆☆☆☆
ボーダーコリーの歴史
8世紀から11世紀にかけて、スカンジナビア半島を中心に活動したバイキングがイギリスに持ち込んだと伝えられています。
その後、イギリスの在来犬種(コリー種)と交配が行われ、羊毛生産を担う牧羊犬として活躍しました。
運動能力は申し分なく、牧羊犬としてかなり重宝されていましたが、他のコリー種と比べると優雅さに欠けるということで、起源は古く、昔から活躍していた割に公認されたのは1987年と遅くなりました。
ボーダーコリーの値段
およそ15万円とご紹介していますが、値段に関しては「値段が高くなる要素」があります。
- 一般的な「ブラック&ホワイト」以外のカラー
- 顔のブレーズが左右対称で太目に入っている
- 首周りのカラーが幅広く均一に入っている
- 血統書によるもの
そしてオスよりもメスのほうが相場が高くなっているようですが、これはそんなに大きな値段の差になっている訳ではないようです。
ボーダーコリーの寿命
ボーダーコリーの寿命は10~15年と言われることもありますが、だいたい10~17年とするところがほとんどです。
人間同様、犬の寿命も室内飼いの爆増、医学の進歩や知識の広がりなどでどんどん長くなっています。
ボーダーコリーの最高齢としては、イギリスで27年というギネス公認記録がありますが、そこまでいかなくても普段の健康チェックや定期健診などで寿命を少しでも長くする努力はすることができます。
寿命は心身ともに健康でなければ、その期間を短くしてしまいます。
寒さには強いけど暑さは苦手であるので、日本の気候を考えると夏が非常にきついと言えます。
夏場は、空調管理を徹底して快適な室内を保つとともに、屋外のドッグランよりも屋内で涼しく走り回れるドッグランを選ぶなどの心遣いが必要になります。
ボーダーコリーがかかりやすい病気
大型犬など、ちょっと大きめの犬に起こりやすい股関節形成不全や高脂血症などもそれほど多くはありません。
そんなに太りやすい犬種ではありませんが、油断して太らせてしまうと、病気にもなります。
食事は朝と晩の2回で、運動量を考えながら調節するようにしましょう。
- 股関節形成不全
- コリー眼異常
- セロイド リポフスチン症(CL病)
- 白内障
- 進行性網膜位縮症
ボーダーコリーの被毛について
被毛はスムースと長毛の2タイプあります。
長毛の場合は、滑らかな毛が魅力の1つですから、ブラッシングをこまめにしてあげるときれいな被毛を保つことができます。
ダブルコートの犬種ですので、大量に毛が抜け落ちる換毛期が春と秋にあります。
伸び続ける被毛ではありませんのでトリミングはそこまで必要ではありません。むしろ短くカットしすぎてしまうと、日航が皮膚にあたって毛質が変わってしまうことがあるので要注意です。
ボーダーコリーの被毛のカラーバリエーションはびっくりするくらい多いです。
一般的なカラーはブラック&ホワイト・ブルーマール・レッドの3種類ですが、他に35種類も公認されているそうなので、一見でボーダーコリーと判別するのが難しい子もいるようです。
ボーダーコリーは飼いにくい?~最後に
ここまでボーダーコリーが飼いにくいと言われてしまう理由を中心に、ボーダーコリーについて詳しくご紹介してきました。
お判りいただけましたように、ボーダーコリーが飼いにくくなるのも、本来の性格のように素敵なパートナーになるのも、飼い主さん次第です。
「家の中でゆっくりと静かに愛玩犬として可愛がりたい」という飼い主さんには、あまりおすすめできないというのもご理解いただけたでしょう。
- 愛犬の訓練がきちんと出来る人
- しっかりリーダーシップがとれる人
に向いている犬種です。
リーダーがしっかりしつけをすれば、子供に対して攻撃性はないのでとっても良い友だちになれます。
家族みんなで行動する機会が多ければ、その中で人間の役に立とうとか、喜ばそうとするので楽しい家族の一員になれるでしょう。