犬が顔や体をこすりつける理由は?
ゴロゴロゴロ・・・犬が顔や体を地面にこすりつけることはよくありますよね。
室内での行動ならまだしも、お散歩中に地面に顔や体をこすりつけられると、飼い主としたら「わぁ~!そんな汚れちゃうことして(T_T)」と思うような困った行動かもしれません。
せっかく手間ひまかけてシャンプーした後に、ちょっと目を離したすきにお庭に飛び出して地面にゴロゴロ。。。
「ちょーっと待ったぁ!シャンプーしたばっかりなのに!」とこれはもう飼い主さんは泣くしかありません(笑)
ドッグランなどで急に仰向けに寝転んでゴロゴロゴロしたり、お部屋の中でソファや床に顔や体をこすりつける行動、また飼い主さんに対して体をこすりつけてくる行動もご経験されていらっしゃるのではないでしょうか。
「どうしたの?体がかゆいの?」と心配になってしまう謎の行動です。
どうして犬は体や顔を地面などにこすりつけるんでしょう?
犬が地面に顔や体をこすりつけている理由は簡単に言うと
- 自分の体についた臭いを消そうとしている
- 自分の好みの匂いをつけようとしている
- ストレスを発散しようとしている
この3つを最初にご紹介していきたいと思います。
飼い主さんからしたら「獣臭い」と感じるかもしれませんが、犬は本来の自分のにおいが消えてしまうととても不安になります。
ですから、何かしらの理由で自分の体についたにおいを消したい時には、特に激しく顔だけじゃなく体全体をこすりつけて、今ついているにおいを消そうとします。
自分本来のにおいが薄くなってしまったと感じた時なども同じく自分の納得するにおいをつけようと体をこすりつけますし、もっと自分の好きなにおいをつけたいと思うパターンもあります。
例えば、大好きな飼い主さんのにおいに包まれて過ごせるように飼い主さんのにおいをつけようとして、飼い主さんの使用済みの靴下の上などで体をこすりつけることもあります。
また犬の本能的に「心地よい安心する匂い」である草や動物のフン、ミミズのにおいを体につけたくて、地面に体をこすりつけることがあります。
室内の場合で忘れてはいけない理由として、ストレス発散のためというものがあります。
犬が暇を持て余している、もっと運動がしたいと思っているなど、犬にとってストレスになることを紛らわせるために、家具や床に顔や体をこすりつけることがあります。
また、犬にとってストレスが強くなると、体を掻いたり舐めるといった行動(カーミングシグナル)を取ることがあります。
自分で体を掻くという仕草が多いですが、犬によってはソファや地面に顔や体をこすりつけるという行動となってみられることもあります。
さて、犬が顔や体をこすりつける主な理由としてよく見られる3つをご紹介しましたが、さらにもう少し詳しく犬の気持ちをみていくと、もっと他にも理由があることがわかります。
- 所有権を主張している
- 仲間への伝言
- 変装するため
- 愛情表現をしている
- 身分証明のため
- 仲間の関心を引くため
- 満足の証
- 感覚的な刺激を得るため
- グルーミングの一つ
- 病気である可能性
あなたの愛犬が地面やソファなど、顔や体をこすりつけるのはどんな時が多いですか?
- シャワーの後?
- 食後?
- お散歩中?
- お家で遊んでいるとき?
また、犬のどの部分をどこにこすりつけているでしょうか?
- 犬が顔や体を地面(床)にこすりつける?
- 犬が顔や体を飼い主さんにこすりつける?
- 犬が顔や体をソファにこすりつける?
- 犬が犬に顔や体をこすりつける?
このようにこすりつけるタイミングやシチュエーション、犬がどこにどこをこすりつけるかによっても理由が変わってきます。
次から、犬が体をこすりつける「場所」で分けて詳しく見ていきたいと思います。
犬が顔や体を「地面(床)」にこすりつける理由
犬が顔や体をこすりつけるのは「本能」に従っていると言えます。
大昔の野生だったころに身につけた習性だったり本能が働いているんですね。
先ほどご紹介した「犬が顔や体をこすりつける理由」と合わせて、まずは犬が顔や体を「地面(床)」にこすりつける理由をご紹介します。
所有権の主張
犬は関心の向いたものに自分の臭いをつけて「これは自分のもの!」と主張して顔や体をこすりつけているいう説があります。
犬の頭部には臭いの分泌腺があるので、人間の衣服や持ち物に顔や体をこすりつけている場合は、「これはボクのもの」と主張しているのかもしれません。
これは飼育されているオオカミも同じ行動をするということから犬も所有権を示すために顔や体をこすりつけて自分のにおいをつけていると考えられます。
仲間への伝言
野生時代の名残で、獲物のにおいをつけて群れに戻ることで仲間に狩りの情報を知らせることができるからという説もあります。
例えば、動物の糞に体をこすりつけてしまうというのは、獲物の情報を仲間に効率よく伝える(伝言できる)ためだとも考えられています。
変装するため
犬の祖先であるオオカミ時代は、狩りをする時自分の匂いが獲物に知られてしまうのを防ぐため、木や草の匂いを体につけて臭いをカモフラージュする知恵をつけていました。
狩りをするために変装していたんですね。
逆に自然界では敵に狙われることもあります。
攻撃をする側としてもされる側としても、自然界で目立ってしまうのはマイナスに働いてしまうため、地面に体をこすりつけることで自然界のにおいをつけるという習性がありました。
その名残が残っているという説もあります。
犬にとって初めての場所や慣れていない場所に行くと、この習性が働いて地面に体をこすりつけるという行動が多くなる場合もあります。
身分証明のため
これは最初にご紹介した犬が地面に顔や体をこすりつけている3つの理由のひとつである「自分の体についたにおいを消そうとしている」ということに関連しています。
犬にとって体臭は自己アピールであり、犬同士の好ききらいの判断材料にもなる大切な情報そのものです。
ですから、犬が地面に顔や体をこすりつけるのは、体についた別の臭いをとり自分のにおいを取り戻すための行為になります。
犬にとって体臭はとても大切な情報源。
自己アピールするために必要な「臭い」が薄れてしまうことは非常に困ることなんです。
シャンプー後に犬が床や絨毯、庭などで体をこすりつけているのは自分の臭いを早く取り戻したいと思っている行動だと考えられます。
また、犬は嗅覚が優れているため、シャンプーのにおいは、人間にはほのかに良い香りだと思っていても、犬にとっては臭くてかなわないと思っていることもあります。
仲間の関心を引くため
こちらは最初にご紹介した犬が地面に顔や体をこすりつける3つの理由のひとつである「自分の好みの匂いをつけようとしている」ということに関連します。
犬は動物性の臭いでなくても、レモンの皮や香水、たばこや腐ったキャベツなど、強い臭いのするいろい仲間の関心を引くためろなものの上で体をこすりつけます。
なんでも、犬社会でモテ犬になるためにはミミズの臭いが最強なんだとか。
犬は刺激的な臭いを身にまとうことで、仲間の関心を集めているという説もあります。
満足の証
食後やお散歩後など犬にとって楽しい出来事のあとに仰向けに寝っ転がって背中をこすりつけたり顔(鼻のあたりなど)をこすりつけていることがあります。
これは、犬が「満足して幸せ~♪」と思っている時に行う行動です。
犬にとって至福の瞬間なわけですが、そんな愛犬の様子を見ている飼い主さんにとっても幸せを感じる瞬間なのではないでしょうか。
満足気な表情を浮かべてゴロゴロしている時は幸せを実感している時かもしれませんので優しく見守ってあげましょう。
感覚的な刺激を得るため(遊びを含む)
お風呂あとや強い臭いがするものがあるという訳じゃなくても、犬は体を地面に顔や体をこすりつけることがあります。
雪の上で、夢中で体をこすりつけたり。
犬が顔や体をこすりつけるのはにおいが原因なのではなく、感覚的な刺激を求めるしぐさということも考えられます。
なので、飼い主としてはとても困ってしまう糞の上で体をこすりつけるのも、仲間の関心を集めるという理由もあると思いますが、感覚的な刺激を求めているとも考えられています。
すりすりしているうちにその感覚が気に入って遊びになってしまうこともあります。
その犬の感覚的なことですが、ふわふわした毛布が気に入って顔をこすりつけ続けていたり、タオルの感覚が気持ちよくてしょっちゅう体をこすりつけたりといったお話を伺うこともありました。
グルーミングの一つ
犬にとって自分の手や足がうまく届かない場所や、場所的には届くけど気に入るように触れないところがあります。
犬にも利き手というのがあるそうです。右利きとか左利きということですね。
まだ研究中の部分が多く明確にはなっていませんが、犬にも猫にも右利きとか左利きというのはあると考えられています。
利き手の話はちょっと余談になってしまいましたが、思ったように触りたいところを触れない場合、寝転がったり家具を利用して毛づくろいをしたり、汚れを落とそうとします。
また犬は体が濡れている状態の時は不安を感じるので、雨で濡れた後やお風呂の後などにブルブルして水滴を飛ばすほかに、ごろんと寝転んで床に体をこすりつける行動も見られます。
※犬の皮膚は皮膚病になりやすいなどトラブルも多いので、皮膚が濡れている状態を本能的に「不安な状態=ひどく気持ち悪い」と感じることが考えられます。
犬が顔や体を飼い主さんにこすりつける理由
犬が地面や床などに顔や体をこすりつける理由は本能や野生時代の名残、感覚など色々な理由がありました。
でも地面だけでなく飼い主であるあなたに顔や体をこすりつけることはありませんか?
これには別の理由があります。
しかもこすりつける場所によって意味が違うというのもポイントです。
- 犬が飼い主に体をこすりつけてきた時
- 飼い主の頭などに体をこすりつけてきた時
- 犬がお尻を飼い主さんこすりつけてきた時
この3つの状態の犬の気持ちについてみていきたいと思います。
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犬が飼い主に体をこすりつけてきた時
犬が飼い主さんに体をこすりつけてきた時はたいていの場合、犬の愛情表現です。
「大好きなあなたのにおいを体につけておきたい」
「あなたに撫でたりかまったりしてほしい」
「スキンシップをとりたい」
これらのようにあなたに「甘えたい」という気持ちがあるときに、犬は体を飼い主さんにこすりつけてきます。
体をこすりつけるほかに顔や鼻をあなたに押し付けてきた時も遊びたい!かまってほしい!という気持ちの表れです。
また学習の結果の場合もあります。
たまたま飼い主さんに顔をこすりつけたら撫でてもらったり、体をこすりつけたら遊んでもらったという経験をした犬は、「嬉しい経験」として学習します。
素直な性格、無邪気な性格、甘えん坊な性格の犬によく見られますが、落ち着いた性格の犬でも大好きな飼い主さんには甘えたいものなので顔や体をこすりつける行動は見られます。
犬に愛情表現をされたらできるだけその気持ちに答えてあげたいところです。
ただ、甘えたいとか愛情表現以外でも犬は飼い主さんに体をこすりつける時があります。
それは飼い主さんに怒られている時や怒られた後です。
これは犬がお腹を見せて服従のポーズをとるのと同じ心理で、「もう怒らないでほしい」「もう許してほしい」ということを訴える行動だといわれています。
飼い主の頭などに体をこすりつけてきた時
あなたがゴロゴロ寝そべっているときあなたの頭の上に乗ってきて顔や体をこすりつけたとしたら…
それは愛情表現ではなく自分の優位性を主張している可能性があります。
俺の方が偉いんだぞ!とあなたのアピールしていると考えられるんですね。
犬が遊んでいて飼い主さんの顔を踏んでしまったり、頭の上に乗ろうとしているのはただの遊びの延長なので優位性を主張しているわけではありません。
飼い主さんに優位性を主張しようとする犬でしたら、普段から名前を呼んでも反応が薄かったり、コマンドに従うのも気分次第という兆候が表れていると思います。
もしも思い当たることがある犬が、飼い主さんの頭に体をこすりつける行動をとったら、これは放っておいてはいけない態度です。
ちゃんと犬とあなたの間に正しい形の主従関係が構築できているか、普段の生活を見直す必要がありそうです。
犬がお尻を飼い主さんこすりつけてきた時
顔や体をこすりつけるしぐさを飼い主さんがされたら、なんとなく愛情表現かな~という想像ができると思いますが、急にお尻をこすりつけられたら「なんでお尻!?」と思うかもしれません。
この犬が飼い主さんのお尻をこすりつけたりくっつけたりする行動は、あなたをとても信頼し、安心しているときの行動です。
この後お尻を飼い主さんにくっつけたまま、リラックスモードに入ることが多いです。
なぜお尻なのか?というところですが、犬は後足にケガをしてしまうと走れなくなるため大昔群れで生活をしていた時は急所である後足やお尻をくっつけあって寝ていました。
なので、犬があなたに対してお尻をくっつけてきたら強いリーダー(飼い主さん)がいるのでとても安心してリラックスできるという状態です。
信頼できる人に対してだけ見せるしぐさなので犬にお尻をこすりつけられたら信頼されているんだと思ってください。
犬が犬に顔や体をこすりつける理由
犬同士なのでちょっと番外編かもしれませんが、犬同士でも相手に顔や体をこすりつけているところを見たことがありませんか?
犬同士で顔や体をこすりつける時は挨拶をしている場合です。
通常、犬同士の挨拶といえばお尻のにおいを嗅ぎ合って相手の情報を得ることが多いですが、仲が良い相手や気の合う犬同士の時は体をこすりつけ合って「元気だった~?」「久しぶりだね~」といった挨拶をしています。
また初対面でも自分の耳などを相手の体にこすりつけるなどして「こんにちは!はじめまして~」と挨拶をすることもあります。
犬同志の挨拶の仕方は、鼻をすり寄せたり、伏せをしたりと色々とバリエーションがあるので体をこすりつけるのもその挨拶の1つになります。
犬同士じゃなく、知らない人や初対面の人にも同じあいさつの意味で自分の体をこすりつけることがあります。
初対面の人にはひどく警戒する犬や怖がってしまう犬もいますが、フレンドリーな性格だったり人が大好きな犬種では、人とのあいさつで体をこすりつけることがあります。
犬が顔を舐めるのはなぜ?舐めるしぐさの裏に隠された気持ちと注意点
犬が顔や体をソファにこすりつける理由
犬がソファに顔や体をこすりつける理由は、地面に顔や体をこすりつける理由と同じく、遊びを含む感覚的な刺激を楽しんでいることもあります。
またグルーミングにソファを利用していることも考えられます。
しかし、執拗に顔や体をソファにこすりつけている場合、一番注意してほしいのが「病気である可能性」です。
犬は体や疾患部分のかゆみから、顔や体をこすりつけるという行動をします。
犬がソファなどに顔や体をこすりつける原因となる病気というのは「かゆみ」からくることが多いのでたくさんの理由が考えられます。
もっとも考えられる病気の部位としては、皮膚と目と耳とお尻があげられます。
皮膚と目と耳とお尻に関しては、この後それぞれ考えられる病気を詳しく解説しますが、皮膚の症状がないのにかゆみが出る場合というのもあります。
目立った皮膚の症状が無いのに犬がしきりに体をこすりつけていたら、心臓や肝臓、腎臓などの病気も疑えます。
内臓なのにかゆがるというのもわたしたちから考えれば不思議なんですが、これらの病気になっていると皮膚が過敏になり、かゆみが出ることもあるようです。
一見関係なさそうですが、心臓や肝臓、腎臓の病気になると犬は皮膚が過敏になり、かゆみが出やすくなるという知識は飼い主として持っておいて損はないと思います。
要注意といわれても、咳やくしゃみ、発熱といった病気のサインと違ってしぐさの場合は見分けるのも難しいところがあるかもしれません。
ここらへんは、その前後の生活やあなたの「ちょっと違う?」という直感力が大切になってきます。
まずは、何かあるか症状をチェックしてみましょう。
特に皮膚に関することは被毛をかき分けてみないと見えないので気づきにくいかもしれません。
毎日のブラッシングの時にいやがる場所はないか?他と違うところはないか?常にチェックしておいてください。
そして、なるべく一年に一度は定期的に健康診断を受けさせると病気の予防につながります。いつまでも、愛犬に元気でいてもらうためにぜひ、健康診断を受けるようにしてください。
それでは、犬がソファに顔や体をこすりつける場合に注意したい病気についてご紹介します。
皮膚の疾患でソファに顔をこすりつける時
犬の皮膚はとてもデリケートなうえ、暑い日網に覆われていることで通気性が悪く、最近も繁殖しやすいなど皮膚に関するトラブルは多いものです。
皮膚の疾患は基本的に患部がかゆくなることが多いですが、病気の名前としては以下があげられます。
- アレルギーによる皮膚の病気
- ノミアレルギー性皮膚炎
- ニキビダニ症
- 疥癬症
- ツメダニ症
- 膿皮症
- 皮膚糸状菌症
- 内分泌性皮膚炎
- 脂漏症
例として挙げた病気のすべてを一つ一つ解説していくと量が多くなってしまうのでそれは割愛します。
ただ皮膚のトラブルの場合は、ほとんど皮膚に症状が出ています。
こすりつけている部位の被毛をかき分けて皮膚の様子を観察してください。
- 脱毛している
- 赤くなっている
- 腫れている
これらの症状があったら皮膚病の可能性が高いです。
人間もそうですが、かゆみというのは犬にとっても大きなストレスになります。
皮膚病は様子を見ていても治るものではありませんので、なるべく早めに動物病院に連れて行って治療を始めるようにしてください。
耳の疾患でソファに顔をこすりつける時
犬の耳はその特徴から耳の病気になりやすい犬種がいます。
耳が垂れているコッカー・スパニエルやペキニーズなど。
耳の中に毛が生えているマルチーズやヨークシャー・テリアなど。
耳の中にしわがあるパグやブルドッグなど。
耳垢が多いダックスフンドやジャーマン・シェパード・ドッグなど。
このように通気性が悪いと細菌の繁殖を招きやすいので耳の病気になりやすい状態です。
- 外耳炎
- 中耳炎
- 耳疥癬
耳垢がたまっていたり、細菌やダニが繁殖していたりという状況がないように注意してください。
こまめなチェックとケアが大切ですが、耳の皮膚は非常に薄いため少しでも無理にすると怪我の原因になります。
無理をしないで、健康チェックの時などに獣医師に耳の掃除をお願いするようにしましょう。
また、耳に虫や種などの異物が入ったときも耳をこすりつけたり首を振るなどのしぐさが見られます。
飼い主さんがとろうとすると奥に押し込まれてしまう危険も高いため、異物の恐れがあるときも、動物病院に連れて行ってください。
目の疾患でソファに顔をこすりつける時
目の疾患が原因で犬がソファに顔をこすりつけている時は、目やにや涙が出ていたり、目の色がおかしいなどの症状がみられます。
目やには、角膜や結膜からの分泌物や細菌、目に入ったホコリでできます。
目やにの多くは涙で流れますが、乾燥して目の周りにくっついてしまうことがあります。
目やにや涙も少量だったり一時的なものであれば心配しないで大丈夫です。
ですが「ちょっと量が多いな・・」と感じるようであれば、目にトラブルが起きている可能性があります。
まつげなどの異物が入って傷がついたり炎症が起きていると
- 角膜炎(かくまくえん)
- 結膜炎(けつまくえん)
になることが多いです。
結膜炎の場合は、まぶたが腫れることもあるのでチェックしてください。
また、ぶどう膜炎やジステンパーも目やにや涙が大量に出る病気です。
目の病気以外にも、眼瞼(まぶたのこと)の病気の可能性もあります。
まぶたが内側や外側にめくれている、
- 眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)
- 眼瞼外反症(がんけんがいはんしょう)
- 瞼に炎症が生じている眼瞼炎
こちらも目に違和感を感じるので、ソファなどに目をこすりつけるような行動がみられます。
次に目の色がおかしい場合ですが、目が赤くなることはよくあることです。
ただ病気の可能性もあるのでどの部分が赤くなっているかを確認して下さい。
白目や下まぶたの裏が赤い時は
- 結膜炎
- 細菌感染
が考えられますし、角膜が赤い時は角膜の傷やアレルギーによる炎症が考えられます。
そしてもう一つ気を付けたい病気は「チェリーアイ」です。
チェリーアイになると、目頭にサクランボのような赤い玉ができます。
犬特有の第三眼瞼線(だいさんがんけんせん)が炎症をおこし腫れるので、赤い玉が飛び出しているようにみえるというものです。
赤い玉が大きくなると、気になるので顔をソファなどにこすりつけ、結膜炎や角膜炎をおこすこともあるんですね。
一度治療をしても、再発することがほとんどのようです。
あまり症状がひどい場合は、手術を行って切除することもあります。
ビーグル、コッカースパニエル、ペキニーズなどにみられるので注意してください。
お湯で湿らせたガーゼをしばらく目にあててふやかしたあと、やさしく拭きとってください。
これでもとれなかったりかたまっている時は、無理に取ろうとしないで動物病院でとってもらったほうがいいです。
というのも、目の周りは傷つきやすいですからね。
無理に取ろうとして、目の周りの皮膚を傷つけてしまうことがあるので獣医さんにお願いしましょう。
お尻の疾患でソファに顔をこすりつける時
例えば犬がお尻を床にこすりつけていたら、肛門の周囲がムズムズしているからかもしれません。
お尻を地面につけて、ズリズリと前に進むようなしぐさを見せていたらおしりに痛みや痒みを感じているというサインです。
お尻を地面にこすりつけるしぐさをするんですが、このような動作を見かけたらおしりに何か異常がないかチェックしてみてください。
一番考えられるのは肛門嚢炎(こうもんのうえん)です。
通常、排便とともに分泌される分泌物の出入口が詰まってしまうと起こるものです。
特に便の小さい小型犬でよくみられるので、小型犬の場合は注意が必要です!
これは愛犬のお手入れとして定期的に絞り出してあげると予防することができるので週に一度はお手入れしてあげましょう。
あと、寄生虫がいておしりに不快感があるときや、下痢が続いている時にも、お尻を地面につけてズリズリします。
おしりが痛かったりかゆいってわたしたちでも辛いですから、動物病院で獣医さんに相談したほうがいいでしょう。
特に重要な病気でない場合も下痢の症状がおこることはよくあります。
発熱や嘔吐など、ほかにも症状がないかをチェックすることで、隠れている重大な病気を発見することができます。
下痢が一日以上続いたり、いつもと様子が違うと感じることがあったら動物病院に連れて行くようにしてください。
※細菌や寄生虫による下痢などの場合、種類によっては飼い主さんにも感染してしまう可能性があります。動物由来感染症についての詳しいことは以下のページをご覧ください。
犬がソファに顔や体をこすりつける時の「病気以外」の理由
犬がソファに顔や体をこすりつける時は、最初に病気を疑っていただきたいのですが、病名がつく状態ではない可能性の場合もあります。
- フードによるもの
- シャンプーによるもの
- なんとなく調子が悪い
この3点のケースも少なくありませんのでご紹介しておきたいと思います。
フードによるもの
牛乳や肉や卵などの高たんぱく食品、またはフードなどでアレルギーがおこることがあります。
手作り食をあげている飼い主さんは勉強熱心な方が多いですからすでに注意をされていると思いますが、アレルギーは急に症状が出るようになることがあるのが怖いところです。
フードに関しては、「フードの質が悪い」もしくは「フードと合わない」と急にアレルギーの症状が出ることがあります。
原因となる食べ物を食べた後、主に耳、顔面、口などにアレルギー反応がおこりますので、しきりにソファなどに顔を押し付けこすりつける行動がみられます。
食物アレルギーの症状は、口にしたものの量によりますし、人間同様に症状が激しく出る場合だけではなく、一部分がかゆくなるくらいの軽度の出方をすることもあります。
重度の食物アレルギーであれば治療が必要になりますが、ちょっと体調が悪い・疲れなどで免疫が落ちているときな普段は出ないアレルギー症状が出る場合があります。
シャンプーによるもの
病気を疑うのと一緒にシャンプーを変えてみるか、シャンプーの頻度を見直す必要があるかもしれません。
犬は人間と同様にシャンプーが合わないでかゆみが出てしまうこともありますし、シャンプーをしすぎて肌の油分を落としてしまって乾燥させてしまうこともあります。
思い切ってシャンプーを変えたら治ったというケースも多いです。
皮膚のかゆみやフケ脱毛や乾燥肌などの肌トラブルに犬の皮膚用化粧水というのもあります。
皮膚を守るグッズも上手に使ってケアをしてあげると良いでしょう。
なんとなく調子が悪い
犬はなんとなく調子が悪かったり体調がすぐれない場合、顔や体をこすりつけることがあます。
この場合はソファや床の場合もありますが、甘えることで不調を紛らわせようとするため、飼い主さんに顔や体をこすりつけることが多いかもしれません。
下痢をしたり、吐いてしまったり、便秘をしたり、消化不良だったり、重大な病気ではなくても体調が悪くなってしまうことはあります。
調子が悪い時の行動は犬によって違いますが、「調子が悪い時に顔や体をこすりつける」という行動があることは覚えておくと良いと思います。
生活で変化がなかったか?ほかに気になるしぐさをしていないか?ほかになんかの症状がないか?など、よく振り返って生活や愛犬の表情などを確認してもらうと良いでしょう。
犬が顔や体をこすりつけるのをやめさせる方法
犬が地面に顔や体をこすりつけるのには犬なりの理由がありました。
これは犬の習性や本能の部分ですからしつけでやめさせるというのはむずかしいです。
ですが全く方法が無いという訳ではありません。
例えば、シャンプー後に顔や体をこすりつけるのは犬が自分の個人情報を取り戻すためとシャンプーのくさいにおい(犬的に)を取るためという理由がありました。
だからシャンプーをがっつり使ってしっかり体を洗えば洗うほど、ゴロゴロして顔や体をこすりつける行動が激しくなってしまいます。
被毛の長さやライフスタイルによっても異なってしまいますが、頻繁にシャンプーをする必要はありません。
たまに、人間のお風呂感覚でしょっちゅうシャンプーをしようとする人もいますが、それはかえって犬の皮脂が減ってしまうのでバリア機能が低下し、皮膚病を招く恐れもあります。
シャンプーをたっぷり使って犬の臭いが消えるほど洗うのではなく、ブラッシングをこまめにして汚れやフケを取り除き、軽くお湯で洗ってあげる程度にしてにおいを残しておいてあげると顔や体をこすりつける行動は減ります。
洗った後は直ちにタオルドライをしてしっかりドライヤーで乾かし、庭などにすぐ出られないように対策もしておいてもらうと良いでしょう。
ドッグランなどで離しているときや散歩中に他の犬や動物の糞を見つけて体をこすりつける時には…
正直ドッグランなどの場合はある程度監視しきれないので仕方ないと思うしかないと思います。
しかし散歩中であれば、飼い主さんが先に発見することで犬の注意を引きながら通り過ぎたり犬が糞の方に行こうとしたらリードを使って「いけない」ということを伝えることで制止することができます。
犬と正しい形の主従関係ができていれば、あなたがいけないと指示を出せば従うことができます。
犬には「しつけをする」ことは皆さんされていると思いますが、正しい主従関係を構築することができると、問題行動を無くすほかにも困った行動を阻止する力があります。
犬が顔や体をこすりつける理由のまとめ
犬が顔や体を地面などにこすりつける理由は、最も多い本能的な理由をあげると3つありました。
- 自分の体についた臭いを消そうとしている
- 自分の好みの匂いをつけようとしている
- ストレスの発散
犬が顔や体を地面にこすりつける理由として挙げられるのは
- 所有権を主張している
- 仲間への伝言
- 変装するため
- 身分証明している
- 仲間の関心を引くため
- 満足の証
- 感覚的な刺激を得るため
- グルーミングの一つ
という8つの本能や習慣から来ていることが分かりました。
また、犬が顔や体を飼い主さんにこすりつける理由としては
- 愛情表現をしている
- 怒らないでほしいという要望
- 相手より優位性を主張している
- 飼い主さんを信頼して安心している
という意味があり、犬同士で顔や体をこすりつけるのは、犬流の挨拶をするためでした。
一番心配なのは、犬がソファに顔や体をこすりつける時で、病気の心配もあるというご紹介もしました。
- 皮膚病
- 目の病気
- 耳の病気
- 肛門の病気
- 心臓などの内臓疾患 など
犬は疾患部分のかゆみからソファなどに顔や体をこすりつけるという行動をします。
頻繁にこすりつけている部分を良くチェックし何か異常があったらすぐに動物病院で診てもらうようにしてください。
私たちから見ると不思議だった犬が顔や体をこすりつける理由がわかりましたね♪
あなたの愛犬が何かに顔や体をこすりつけている時はどんな理由からなのかよく観察してみると愛犬の気持ちがわかりさらにきずなを深めてくれることを願っています。