犬が震える原因は?飼い主さんのチェックポイント
犬が震えているのにはいくつかの原因があります。
体の異変や病気も考えられますし、震えるしぐさで気持ちを訴えている場合もあります。
犬が震える原因とその対処法、また病院へ行く時の注意点などをご紹介します。
またシニア犬になると震える理由として別のものもありますのでそれも見ていきましょう。
犬が震えるのは原因は大きく3つに分けることができます。
- 生理的要因
- 体の異変
- 感情を表現している
犬は自分の身に起きていることを上手く飼い主さんに伝えることができません。
ですから私たちはいつでも、犬が何を訴えているのか?ということを見抜く目と情報が必要です。
特に、犬が震えている時は、なんらかが起きている可能性があるので、いつもより注意して原因を突き止める必要があります。
今回は、犬が震えている場合に考えられることを全てご紹介します!
犬が震える原因~考えられる生理的な要因
犬が震えている時に考えられる生理的な要因とは
寒さ
恐怖
緊張
興奮
の4つが考えられます。
犬が震える原因1:寒さ
犬にはそれぞれ原産国がありますが、どのような目的で、どんな地域で生み出された犬種なのかを知っておくことが重要です。
やはり寒い地方出身の犬は、被毛の密度が高いため寒い中でも元気に動き回ることができます。
しかし、比較的暖かい地方出身や、愛玩犬用の犬種は(小型犬に多い)被毛自体が寒さ対策できていませんのでどうしても寒さを感じやすいです。
寒さで震えるメカニズムは人間と同じで、冷えた体を猛スピードで温めるために代謝機能が働くことで体が震えます。
冬にお散歩に行くときなど、温度管理のされた温かい場所から急に寒い屋外に出たときなども、寒さからぶるっと震え、そのあとも小刻みに震えることがあります。
寒いところに長時間いると、体温がどんどん下がってしまって低体温症などになってしまうので注意が必要です。
※低体温症についてはあとで詳しくご紹介します。
犬が震える原因2:恐怖
特定の音や強い光に対して強い恐怖反応を示すことを恐怖症といいます。
強い恐怖の反応としては
- 震える
- 荒い息をする
- 駆け回る
- よだれを垂らす
などの行動が見られます。
恐怖行動の対象として多いのが雷と稲妻、花火などです。
雷や花火を恐れるのは、雷の脅威にさらされていた野生時代の名残だと言われていますが確かなことはわかりません。
ただ突然の音や光などの刺激は、犬にとって驚きを与えるので警戒反応を示します。
この刺激が強すぎると、犬は極度の恐怖心を抱き恐怖症になります。
ボーダーコリーやジャーマンシェパードは遺伝的に恐怖症になりやすい犬種です。
犬が震える原因3:緊張
主に不安から緊張していると、犬は震えることがあります。
これも心の病気で分離不安といいます。
分離不安は飼い主と離れると、極度の不安を感じて緊張状態になり、震えたり呼吸が荒くなったり吠えるなどの行動が見られます。
飼い主とべったりの犬は分離不安になりやすいです。
不安から緊張して震える場合、相当なストレスがかかっているので他の問題行動に発展する可能性もあります。
少しずつ一人でいることに慣れさせて分離不安を解消するようにする必要があります。
犬が震える原因4:興奮
これは主に喜びの感情が高ぶり、身震いしているような状況です。
小刻みに震えるというよりも、ブルブルッと身を震わせる感じで大好きな人や犬に会った時や、大好物のご飯をもらう前などに見られます。
一度興奮するとなかなかおさまらないという場合は、「オスワリ」「マテ」「フセ」の中で愛犬が一番得意な物を号令してみましょう。
号令を聞くことができれば一気に興奮は落ち着きます。
でも興奮しすぎてできない場合は、リードを短く持って犬が動ける範囲を狭くし、背中を大きくゆったりさすったり、お尻を優しく押して強制的にオスワリさせ、興奮がおさまったらしっかりと褒めると爆発していた興奮状態がおさまります。
犬が震える原因~考えられる体の異変
犬は何らかの体の異変があるとき震えるしぐさをします。
考えられる体の異変というのは
ケガ・痛み
吐き気・誤飲による吐き出し
筋力の低下
神経症状
病気・発熱
がありますので1つ1つ見ていきましょう。
犬が震える原因5:ケガ・痛み
寒さや強い刺激(恐怖・興奮)などを特に受けていないにもかかわらず犬が震えている時は、ケガによる痛みを感じている可能性があります。
特に腹部や背中に痛みがあると全身が震えます。(病気による場合も含む)
痛みの状況や個体差があるのでわかりやすく震えている時ばかりではありません。
触ったらかすかに震えていることもあるので、なるべく体のあちらこちらに触れて、どこかにケガはしていないか?を全身くまなくチェックしてください。
また触れられるのを嫌がる場所があったら、そこを打撲や骨折をしている可能性もあります。
- 苦しそうな息遣いをしている
- 「キャン」という鳴き声を出す
- ぐったりしている
- 足を引きずっている
などの症状が見られたら痛みを我慢しているかもしれません。
とにかく動物病院で受診してください。
犬が震える原因6:吐き気・誤飲による吐出し
犬は吐くときに体を震わせることがあります。
吐き気をもよおす原因としては、車酔いや食べ過ぎなども考えられます。
また誤飲したものを吐き出そうとしているときも体が震えます。
上の記事で詳しくご紹介していますが、吐しゃ物と愛犬の様子をチェックし、吐しゃ物の色が透明から黄色で吐いた後は元気にしている場合は少し様子を見ることができますが、それ以外の場合はなるべく早く病院に連れて行きましょう。
犬が震える原因7:筋力の低下
人間と同様に、犬も筋肉を動かさないと筋力は低下していきます。
特に高齢犬になってくると、だんだん筋肉量が低下するので体を支えるのが困難になり、後足や体全体が震えます。
この場合はガクガクといった震え方ですね。
小型犬は10歳ころ、大型犬は7歳でシニア犬の仲間入りと考えられます。
また、ケガをしていて動けなかったり、運動不足の場合にも筋力は低下し、体が震えることがあります。
対処法としては、毎日運動することや、動物性たんぱく質が多く、低脂質でグルテンフリー(穀物不使用)のフードをあげていくことがおすすめです。
やはり良いフードを早くからあげると、シニアになったときに筋力が低下するのを防ぐことができます。
動物性たんぱく質が多く低脂質で、グルテンフリーの獣医師推奨のおすすめフードはこちらがおすすめです。
また、早くからシニアになったときを意識して、サプリメントをあげるというのも効果的です。
シニア犬になると関節痛になる子も多く、関節の痛みで震えが起きることもあります。
サプリには、関節痛に効果が高く、老化を防ぐ効果のあるものがあります。
老化とは、体の中に古くなった細胞が蓄積し、見た目の他、臓器の機能を低下させることです。
その原因を根本から解消し老化を防いだり関節痛を防ぐサプリなどもあります。
ドッグフードにしてもサプリメントにしても、まだ老化について考えるのは早いと思う年齢から続けることで、実際に老犬になったときに元気な体を保つことができます。
いつまでも元気で長生きさせてあげるには早めのケアが必要です。
犬が震える原因8:神経症状
神経症状を起こすような毒物を摂取したり、病気による影響で神経症状を起こし、犬の体が震えることがあります。
それぞれの病気については後で詳しくご紹介しますが、神経症状の震えとして考えられるのが
- 中毒
- てんかん
- 脳腫瘍
- 小脳障害
- 低血糖
があり、部分的な震えの場合もありますが、全身が震える場合もあります。
また体が小刻みに震えていながら体が硬直しているときは痙攣です。
神経症状で震えている場合の多くは痙攣を起こしているので、重い病気のことが多いため痙攣がおさまったらなるべく早く動物病院に連れて行ってください。
犬が震える原因9:病気・発熱
あなたの愛犬の平均体温は何度ですか?
目安となる平均体温は小型犬が38.6度~39.2度、大型犬が37.5度~38.6度ですが、ご自分の愛犬の平均体温は犬の体温についてをご参照いただき、しっかりと把握しておきましょう。
もし39.5度以上ある場合は発熱しています。
高熱になるほど震えというよりも、痙攣を起こしている可能性があります。
他に現れている症状が無いかよく確認して早く動物病院に連れて行きましょう。
犬が体を震わせる病気としては
- 肝性脳症
- 熱中症
- 低体温症
- ジステンパー
- 尿毒症
- 破傷風
- ホワイトドッグシェイカーシンドローム(特発性振戦病)
などの病気の可能性があります。※それぞれの病気の詳しい症状については後半にご紹介しています。
どれも放っておけない病気なので、大至急病院へ連れて行き、適切な治療を受けましょう。
犬が震える原因~感情の表現でも震えるの?
ケガや病気など、ちょっと怖い情報が続いてしまいました。
ただ、「違うの!元気は元気なの!でもうちの犬はブルブル震えるんだけど??」と思っている方もいらっしゃるかもしれません。
確かに、ケガや病気などの重大な疾患じゃなくても犬は感情を表現して震えることがあります。
犬が震える原因10:拒否の気持ち
大好きなお散歩の途中で急に立ち止まってブルブルと震えることはありませんか?
このとき、「イヤダ!そっちには行きたくない!」という気持ちを表現しています。
- 痛い思いをしたことのある動物病院への道
- いつも吠えられて嫌な思いをする犬がいる道
- わたしたちは聞こえないけど、犬の聴覚では聞き取れる不快な音がする方
理由は様々ですが、犬は「拒否」の気持ちがあるとブルブルと震えます。
これはカーミングシグナルのひとつです。
「でも、うちの犬は嫌だったら頑として動かない態度をするけど(*・ω・*)?」
そのようにストレートに気持ちを表すこともあるでしょう。
でも、じつはこの時、こうやって強い意思表示を示すと飼い主であるあなたに怒られるということをわかっています。
そして、自分自身で受けるストレスも強くなってしまうんですね。
それでもこの態度というのはよっぽど嫌なんでしょう。
犬は、なるべくストレスを受けることや争いを回避しようとする行動があります。
それがカーミングシグナルと言われる行動なんですが、体をブルブル震えさせるのもカーミングシグナルの一つで、”やんわり”あなたに「ノー」と伝えているんです。
嫌なところに連れて行かれる!と思って、緊張しているので近くに寄って「大丈夫だよ」と優しく声をかけるようにしてください。
犬が震える原因11:不快の表現
ケアの最中にもブルブルすることがあります。
犬の鼻は湿っていないと匂いの分子を吸着させられず、嗅覚性能が大幅ダウンします。
犬の鼻は寝ている時以外で乾いていたら病気を疑わないといけない場所です。
でも、犬を飼ったばかりでまだよく知らない場合や、小さな子供が「濡れているから」と拭いてあげるかもしれません。
その他にも、犬が風邪をひいて鼻水を出していることもありますので、ケアとして軽くふくこともありえます。
そんなときも、「わぁー!やめて~!」と伝えるのに、体をブルブルします。
体をブルブルさせるのは愛犬にとって不快なことだという感情の表現です。
ですから、そんな時は低い姿勢になってやさしくなでながら、「よく頑張ったね♪」とほめるなど、フォローをしておきましょう。
愛犬が濡れているわけでもないのに体をブルブル震えさせたら、それは「イヤイヤ!」のサインです。
安心できる言葉をかけたりやさしくなでてあげて不安を取り除いてあげてください。
犬が震えるので寒さ対策に洋服を着せるのは良い?
犬に洋服を着せるのは動物虐待という意見もありますが…
寒さが苦手な犬種の犬には、寒い中お散歩するときなどに洋服を着せることは有効です。
チワワなどの小型犬や老犬は寒さに弱いので、冬に散歩をするときは防寒着を着せることで体温を奪われずに済みます。
ちなみに、一般的に大型犬よりも小型犬の方が寒さに弱いとされています。
これは小型の動物ほど体の中でたくさんの熱を発生させないと体温を保てないためです。
また大型犬であっても小型犬であっても、雨の日はレインコートを着せてあげると体温低下を防いだり、帰ってからの乾かす手間が最小限に抑えられます。
また最近はアレルギーを持つ犬が花粉などが体につかないようにという意味で洋服を着せることもあります。
ですから、できるだけ洋服を着ることを嫌がらない子にしておくと良いです。
ただ、ずーっと洋服を着せっぱなしというのは犬にとってストレスになりますし、被毛が擦れてひどい毛玉になったり被毛の下の皮膚が蒸れて皮膚炎になるなどの心配がありますので注意してください。
犬の震えに対する予防法や対策はある?
生理的な要因である、寒さや恐怖、緊張、興奮に関しては私達が予防したり落ち着かせるなどの対策ができます。
また感情による表現の場合も、なでたりフォローをするといった対策が取れますよね。
しかし、ケガや痛み、病気に対する予防や対策というのはなかなかできません。
ただ私たちが普段から愛犬に注目しておくというのは大切ですし、健康な時でもこまめに動物病院に
言っておくというのも病気に対する対策になります。
獣医さんと意思疎通をはかっておけば、愛犬の様子から適切な判断をしやすいですし
- どんな検査が必要か?
- 何が疑えるのか?
という病気を診断するまでが早くなり早期発見早期治療を行うことができます。
元気は元気だけどここが気になる、くらいですぐに気軽に病院に行けるようにペット保険の加入は考えておいていただくとよいかもしれません。
いろいろなペット保険がありますが、安定して人気が高い保険は「安心ペット保険」と「げんきナンバーワン」です。
- 全国の動物病院対応
- 支払いがスピーディ
- 月々の支払額が安い
- 保証が手厚い
- 保険会社が大きい
などの理由から愛犬家の方の満足度が非常に高い保険です。
公式サイトから資料請求(無料)をして、愛犬にあっている保険なのか検討しておくと、後々安心だと思います。
動物病院に行く注意点として、犬が震えているところはスマホなどで動画撮影しておくのも有効です。
診察時に獣医さんに見せることで、その時の状況が伝わりますので、診断の重要な情報になります。
犬が震えたら病院へ行くべき?見分ける方法はある?
さて、色々なシチュエーションで犬が震える理由を見てきました。
ひと口に犬が震えるといっても様々な原因がありますので、犬が震えているだけでは病気か痛みか感情かを見分けるのは非常に難しいことです。
犬が震えている場合は
震えが起きる前後の様子
震え方や震えている時間
温度などの環境
犬が元気かどうか
食欲はあるか
ケガなどの全身チェック
震え以外の他の症状(体温含む)
などを合わせて考える必要があります。
ケガや他の症状がある場合は大至急、動物病院に連れて行きます。
また、車酔いしているわけでもないのに、元気がない、ぐったりしている、食欲がないという場合も
やはり何か原因が隠れていないか病院で診てもらったほうが良いです。
もちろん、体の硬直が見られたら震えというより痙攣ですので痙攣がおさまったら病院です。
犬が震えていたら即病院ということではありませんが、普段の様子と違うと感じたら病院に連れていくようにしてください。
それでは、犬が震える病気をこれからそれぞれ詳しく見ていきたいと思います。
犬が震える病気一覧!症状や緊急度を見る
神経症状
【中毒】
中毒を起こす物質には、食べ物、植物、薬品、化学物質などがあります。
犬の中毒は皮膚への付着、吸引、誤飲によって引き起こされますが、好奇心から近づき舐めたりして体内に入ってしまう場合が多いです。
犬にとって中毒を起こすものを知り、中毒を起こすものを犬の近くに置かないとか近づけさせないようにすることが大切です。
中毒物質によっては、吐かせることでさらに症状が悪化するものもあるので、中毒が疑われたら大至急病院に行ってください。
犬の中毒症状が出るまでの時間や回復時間は?危険な食べ物と治療方法
【てんかん】
痙攣をおこすてんかん発作は動物の中でも特に犬に多く見られます。
体を硬直させて震えながら意識を失い、失禁するときもあります。
大脳の前脳という部分の神経細胞に脳波の異常が見られたときに発作が起きるそうです。
脳自体の病気が原因の他、肝臓や腎臓の病気や低血糖、低酸素、ミネラルバランスの乱れなどがてんかん発作の原因になることもあります。
てんかんも治療が必要な病気なので、痙攣の発作がおさまったらなるべく早く病院に連れて行きましょう。
【脳腫瘍】
脳に悪性の腫瘍ができた場合、浸潤して様々さ働きに大きな障害を与えます。
その一つとして震える症状があり、痙攣やてんかんといった症状もあります。
できた場所や大きさによっても症状は変わってきますし、治療法も限定されることがあります。
【小脳障害】
体のバランスを調整している小脳に何らかの異常が生じて動作がうまくできなくなる病気です。
立ったり歩いたりという動作を始めたときに、体が震えるという特徴があります。
胎児の時の小脳の未発達のほかに、細菌やウイルスの感染、外傷、栄養不足などでも小脳障害が起きます。
一度受けてしまった障害自体は治すことができません。
日常生活をケアしてあげる必要があります。
【低血糖】
血液中には糖が流れていますが、糖は活動するためのエネルギー源になります。
また脳は糖のエネルギーで動いています。
この血液内の糖が少なくなると血糖値が下がり低血糖を起こします。
脳や体に十分なエネルギーが行かず、痙攣や震えがおこり、ぐったりと元気がなくなります。
低血糖の原因は空腹や運動のしすぎ、膵臓の病気などもありますし、糖尿病の犬の場合はインスリン治療が効きすぎて低血糖になることもあります。
またストレスで食欲がなくなったり、消化不良が続くなどで低血糖になることもあります。
犬種としては遺伝的にヨークシャテリアが低血糖になりやすいそうです。
病気
主に発熱の症状がある場合、体が震えることがあります。
これは寒さからくる震えの場合もありますが、体内に入ってきた病原菌と闘うためや免疫を活発に動けるようにするために体が急激に体温を上げようとする働きのためです。
人間でいう悪寒で体がガタガタ震えるのと同じ原理ですね。
ですので、熱が高くなる病気の場合や細菌やウイルスに感染した場合は、発熱の症状とともに震えが起こることがあります。
その他症状として震えがある犬の病気を見ていきましょう。
【肝性脳症(門脈シャント)】
本来は肝臓で無毒にされる毒物が脳に入って様々な症状を起こします。
通常栄養は門脈という血管を通って肝臓に運ばれ毒物を無毒化して体中に送られます。
しかし生まれつき門脈が肝臓を通らず、シャントと呼ばれる血管から直接大静脈に繋がっている場合があります。
脳にはいった毒物は脳の神経をおかし、麻痺や震え、痙攣や失明など脳が障害を受けた場所に応じて様々な機能障害が生じます。
治療は、手術を行ってシャントを無くし、正常な血管のつながりに修正します。
【熱中症】
犬は暑さや湿度に弱いので熱中症になりやすい動物です。
熱中症になると死に至ることもあるので高温多湿の環境にしないことが重要です。
犬が熱中症になると呼吸が荒くなり、震えや痙攣発作が起きたり、ぐったりして動かなくなるなどの症状が出ます。
体を冷やすことを第一に考え、涼しい場所に寝かせて胴体の部分に水をかけたり、濡らした布をかけて
体を冷やすようにしてください。
【低体温症】
犬の震えがなかなか止まらない場合は、体温が低下しすぎている低体温症という状態になっているかもしれません。
低体温症は長時間寒い環境にいたり、病後の体力が落ちている時などに上手く体温調節ができずに自分で体温をあげられない状態です。
犬の震えがなかなか止まらないときは低体温症も疑って、体に触ってみましょう。
いつもよりも冷たく感じたらすぐに毛布でくるむなどして、少しでも温めながら病院に連れて行ってください。
【ジステンパー】
イヌジステンパーウイルスに空気感染することで発症する病気です。
軽い発熱や食欲不振程度で治ることもありますが、体力次第で高熱や嘔吐、下痢、咳、くしゃみがみられ進行すると体が震えたりてんかん発作が見られます。
ウイルスに対する薬は無いので予防接種を受けて予防することが重要な病気です。
【尿毒症】
腎臓の濾過機能が低下することで毒性のある老廃物が体をめぐり、全身の臓器に異常を生じさせる病気です。
食欲不振や吐き気、嘔吐、震え、アンモニア臭のある口臭などの症状が現れ、重症化すると痙攣や昏睡状態などが起きます。
人間だと人工透析が行われますが、犬の場合はあまり一般的ではありません。
【ホワイトドッグシェイカーシンドローム】
原因ははっきりとは不明の全身が震える病気です。
特発性振戦病とか、特発性小脳炎とも呼ばれます。
振戦(しんせん)とは、体の一部や全部が震えることです。
マルチーズやホワイトテリアなど白い犬でのみ確認されていたのでホワイトドッグと名づけられましたが、どの毛色の犬にも起きることが分かっています。
症状に関しては南ヶ丘動物病院の診療コラムをご参考に。
症状は、細かい振戦が1~3日の間に進行し、興奮・緊張時に悪化し睡眠時には減弱します。血液検査では明らかな異常はなく、通常は神経反応も正常です。脳脊髄液の検査では軽度のリンパ球増加及び蛋白濃度上昇が見られることがあります。組織学的検査では軽度な非化膿性脳炎が認められます。治療しなくても1~3か月で症状が軽快する犬もいますが、生涯持続する場合もあります。~南ヶ丘動物通信より
これらの病気のほかに、破傷風も神経を侵す病気なので、震えや痙攣が見られます。
高齢犬の震えの原因と対処法
犬も年齢を重ねていくと老化現象として色々な変化が起こります。
その中で震えが関わってくるのが
- 筋力の低下
- 関節炎による痛み
- 体温調節機能の低下
などがあげられます。
高齢犬になってくると、関節の軟骨がすり減ったり変形することで、関節の機能が低下するとともに痛みが生じてきます。
また加齢によって筋力が衰えることで、さらに関節に負担がかかって関節炎になることがあります。
関節炎の症状としては関節が慢性的に痛むため、動きたがらなくなります。
歩くときに足を引きずっていたり、触れられるのを嫌がる場合は関節炎を疑えますが、症状を隠そうとする本能によってうめいたり、震えていたり、息が荒いなどのサインを出すこともあります。
残念ながら根治するのは難しいですが、薬を使って痛みを和らげることはできます。
ずっと痛みが続くというのは犬にとってとても大きな負担ですし、見ている私たちもつらい症状です。
また痛みでお散歩にも行けなくなり、外からの刺激を受けにくくなるので老化がさらに加速することもあります。
体温調節については筋力の低下が原因の一つです。
体が体温を上げるために活躍するのは筋肉です。
その筋肉量が低下することによって、体が熱を発生させにくくなり寒さに弱くなるので震えることがあります。
冬のお散歩時は特に、温かい部屋から急激に寒い中に出ますので、防寒用の洋服を着せるなどして急激な温度変化に備えてください。
心肺機能にも負担をかけますし、犬が散歩を嫌がり運動不足になったり外の刺激を受けられずに老化が加速することがあります。
高齢犬がいるご家庭は住環境からごはん、散歩など体の衰えをカバーできる環境に整えましょう。