犬が唸るにはたくさんの原因があります。
すぐ唸ったり攻撃的な子だったとしても、簡単に直ることもあります。
犬が唸る理由を理解したうえで、正しいしつけ方をご紹介します。
実は犬にも反抗期が…。
「オレが楽しみにしてたプリン食ったろ?激おこだからな!」(笑)
犬が唸る原因はたくさんある!まずは知ることが大切
犬が唸るときってどんな時が多いですか?
実は犬が唸るのはちゃんと理由があって
しつけで直すべきものと、
私達が取り除いてあげるべきもの
の2種類があります。
攻撃的で問題行動と言われるタイプの
犬の唸りはしつけで直していきますが
犬の習性から唸ることは全てしつけで直すのではなく
私たちも協力してあげる必要があったりもします。
まず、犬が唸る原因をしっかりと理解して
しつけで直すべきものと、私たちも協力するものを判断していきましょう。
犬が唸る7つの原因
犬が唸る原因には大きく分けて
- 内的要因
- 外的要因
この2種類があります。
内的要因というのは、
犬の習性や心理状態からくる唸りで、
外的要因というのは病気や本能(遺伝など)
が関係しているものです。
犬が唸る場合、
まず外的要因である病気やケガなどを疑い、
そうではないと判断できた場合は
犬が唸るときにどんな様子かを冷静に観察します。
犬が唸る原因としては
犬は恐怖で唸る
犬の本能が刺激されて唸る
犬の性ホルモンの影響で唸る
犬は自分のものを守るために唸る
犬が優位性を主張して唸る
遊びが楽しくて唸る
病気や痛みで唸る
この7つの原因が考えられます。
まずは犬が
どんなことで唸りやすい傾向にあるのかを
知ることが重要です。
【犬は恐怖で唸る】
犬は見たことのない相手、他の犬、以前怖い思いをさせられた相手などに対して怯えて唸ります。
「これ以上近づくな!!」「こっちにくるな!」と必死に威嚇して近寄らせないようにし、自分などを守ろうとしているんですね。
犬がおびえたり恐怖から唸っているときは、だいたい後ずさりをしたり、尻尾を下げて怖がっているしぐさが見られます。
このような状態で無理に対象物に近づけると、「窮鼠猫を噛む」のように、恐怖心から噛んだり暴れたりする恐れがあります。
無理に慣れさせようとすると犬にとってかなりのストレスがかかるので、初めのうちは私たちも協力して恐怖の対象から離れるなどして犬の恐怖心を取り除いてあげましょう。
怖がっているものは時間をかけて「大丈夫なんだよ」と教えていくようにしてください。
【犬の本能が刺激されて唸る】
犬種によって遺伝的な性質があります。
例えば、牧羊犬や狩猟犬として改良されてきた犬種は物事に対して敏感で吠えやすい傾向にあります。
また、小型犬は大型犬と比べて気が強く威嚇行動を起こしやすい傾向にあります。
このように、遺伝的な性質から攻撃しやすいという場合はしつけによってある程度抑えられるものです。
また、特にきっかけがなく突発性に唸るなどの行動をとることもあり、これは遺伝的な疾患によるものと言われていますが、原因がわからないものもあるそうです。
普段は言うことをよく聞けるし、「マテ」や「フセ」などのコマンドも聞けるのに、「急に全く言うことを聞けなくなっている」という場合は、この突発性も疑えます。
【犬の性ホルモンの影響で唸る】
特にオスの場合は、生後6か月頃から性ホルモンの影響によってオス同士で喧嘩をしたり、縄張りに対する意識が出てきます。
来客に唸ったり、家の前の通行人に対して唸ったり、というのは犬の縄張り意識ですが、もう一つ家を守ろうとしている場合もあります。
そもそも私たち人間は、犬と暮らすようになったときに、番犬としての役割を期待していました。
ですから、犬の本能の中には家を守ったら人間に褒められるという考えが組み込まれているそうです。(これは性ホルモンの影響というより、前項の本能が関係してますね)
オス同士のケンカや縄張り意識は、去勢することでずいぶん落ち着きます。
来客に唸ってしまうことが多い場合は、来客時にハウスに入れておくなどの方法があります。
犬にとって、部屋の中で放し飼いになっていると、部屋全体が縄張りになり、部屋全体という広い範囲を守らないといけないというプレッシャーがあるんですね。
通常から、ハウスの中は落ち着く状態を作っておくと、縄張りがハウスの中だけになりますから、必要以上に広い縄張りを守るために頑張る必要もなくなりますし、来客に唸ったり吠えたりすることもなくなります。
【犬は自分のものを守るために唸る】
犬には所有性があり、自分のものを取られたくないという気持ちがあります。
この自分のものを取られたくないという気持ちが不必要に高まっている状態だと、おもちゃをとられると思って唸ったり、食事中に近寄っただけでご飯がとられると思って犬は唸ることがあります。
飼い主であるあなたに対して所有性を主張しているわけですが、これはしつけで直すことが可能です。※しつけの方法については後ほど詳しくご紹介します。
【犬が優位性を主張して唸る】
犬が自分のことを家族のリーダーだと思っていることが原因で、あなたや家族に対して唸って優位性を主張します。
自分の気に入らないことがあったり、あなたの行動が面白くなかったりすると、「俺の言うことを聞け!」とばかりに唸ります。
この場合は、威嚇が目的ですから噛んだとしても大けがになるような本気噛みには至らないことが多いですが、このように唸るだけでなく噛みつくこともあります。
これはしつけで直す必要がある攻撃行動です。※しつけの方法については後ほど詳しくご紹介します。
【遊びが楽しくて唸る】
遊びがとても楽しくて興奮した場合にも犬は唸ります。
これは威嚇しているわけでもなく、楽しくて楽しくて仕方がない時なので、鼻の上にしわなどは寄っておらず、むしろ笑顔に見える状態で唸ります。
犬と引っ張りっこ遊びをすると良く唸る場面を見ますが、ボールを取ってくる遊びの途中で、ボールをくわえながら唸ることもあります。
犬が楽しくて興奮して唸っているわけですが、もし犬が子犬の頃に兄弟と十分に遊んでいなかった場合は注意が必要です。
唸るだけならまだしも、兄弟犬と遊んでいなかった子だと、噛む加減を知らないので、はしゃいで強く噛んでくるおそれがあります。
これはしつけで直すというよりも、落ち着かせることが一番なので、「マテ」や「フセ」などをしっかり教えておき、興奮して唸り始めたら「マテ」「フセ」などで一度クールダウンさせるようにしましょう。
【病気や痛みで唸る】
犬は体調が悪いと過敏になり、感じている痛みやかゆみなどの不快感から自分の身を守ろうとします。
考えられる病気としては
- 犬は触られまいとして唸ることから皮膚の病気。
- 攻撃性が上昇する痛みやかゆみとして寄生虫やウイルスによる感染。
- 患部に触れられるのを極度に嫌がる整形外科的な病気。
他にも、内臓の炎症で痛みがあったり、病気で具合が悪いので触られたくないなどの原因も考えられます。
原因になっている病気や怪我を治療することで犬は唸らなくなります。
犬が唸るのをしつけ直す前に重要なこと
犬が唸るのをしつけでやめさせていきますが
そもそもその前にあなたと犬の関係が
適切である必要があります。
先ほどご紹介した内的要因は、
飼い主との関係が崩れることで起こりやすくなります。
特に優位性を主張して唸る場合は、
完全に人間と犬の関係が
崩れているということになります。
犬に自分をリーダーだと
思わせてしまったあなたの行動を思い返してみましょう。
散歩の時間やコースはあなたが決めていますか?
食事をあげる順番は人間より後ですか?
犬が自分の優位性を主張する仕草を知っていますか?
いつもべったりで必要以上に甘やかせていませんか?
気分によって犬への態度を変えていませんか?
犬が唸ったとき、その要求通りにしていませんか?
怒る、褒めるにメリハリをつけていますか?
あなたがこのような態度を取っていると
犬と人間の正しい主従関係が築けずに、
犬にとっても安心して頼れるリーダーがいないということです。
犬との生活は、人間主導でなければいけません。
(人間の勝手にしていいという訳ではありません)
あなたがリーダーになることで、
犬は安心できますし、唸る必要が大幅に減少します。
リーダーとしての態度を思い返してみてください。
またあなたをリーダーとして
犬に認識させるために
アイコンタクトを教えるのも一つの方法です。
アイコンタクトは、あなたが犬の名前を読んだらすぐにあなたに注目させる訓練です。
呼ばれた相手を注目するということは、
自分は相手より下という関係になりますので
アイコンタクトを教えていなかった場合には
ぜひ教えていきましょう。
アイコンタクトを教える場合は、
「名前を呼んであなたの方を見たらすぐにおやつをあげる」
というわかりやすいご褒美の方が覚えやすいです。
いずれ、ちゃんと見れるようになってきたら
おやつではなくて褒めることをご褒美にしていきましょう。
また、所有性を主張する場合ですが、
まずおもちゃは飼い主が管理します。
犬が勝手に持ちだせない場所に保管し
遊ぶときに飼い主がおもちゃを与えます。
そして犬が飽きる前に
遊びは人間からおしまいにして、
おもちゃは犬の前で持ちだせない所にしまいます。
こうすることで、
おもちゃなどに対する所有性は和らぎ
おもちゃをとられると思って
犬が唸ることがなくなっていきます。
食事中に唸ることに関しては、
徐々に慣れさせていくのが良いでしょう。
食事は全量をお皿に入れるのではなく、
一握りか二握りくらい別にしておきます。
そして横からそっと近づいて、
大丈夫なようだったら
一握り分の食事を犬が見ている前で追加してあげます。
人が寄ってきても自分のご飯がとられるわけじゃなく
むしろ増やしてくれると思うと、
犬は唸る必要が無いのでどんどん唸らなくなっていきます。
もしかしたらドッグフードも原因?
犬が良く唸る場合、
ドッグフードを変えただけで
とても落ち着いて唸らなくなることがあります。
これは上質のドッグフードに
変えるということですが
お安いフードにたっぷり入っている
悪い添加物や穀類に原因があることがあります。
「添加物はなんとなくわかるけど、穀類も?」
と思われるかもしれませんが、
犬の体は肉を消化しやすいようにできていて
穀類を消化するには内臓に負担をかけます。
じゃなぜドッグフードに穀類が入っているか
というと穀類は加工がしやすく腹持ちも良く
原料も安いため、かさ増しするのにちょうど良いからです。
フードを変えれば唸るのがおさまる
というわけではありませんが、
ずーっと同じフードをあげているなら
食物アレルギーの観点から見ても
フードを変えるのはオススメなので
ちょっと良いフードに変えてみるのも一つの方法です。
※同じフードをあげ続けていると食物アレルギーになりやすい傾向にあるそうです。
穀類、添加物不使用のおすすめドッグフードは
モグワンドッグフード
普通のドッグフードとは違うマイルドな香りで、犬の食いつきと健康を第一に考えた、グレインフリー(穀物不使用)高たんぱく、着色料・香料不使用のプレミアムドッグフードです。
獣医師も推奨しており、多くの愛犬家の方からの評価も高いのが特徴!
犬と愛犬家のことを考え抜いたこだわりのドッグフードなので、一度公式サイトでそのこだわりっぷりをご確認ください。
アランズナチュラルドッグフード
アレルギー対応の、グレインフリー、添加物不使用の安心安全なドッグフードです。
ヒューマングレードの食材を使ったこだわりの新鮮素材を使って愛犬の健康のために作られました。
こちらも獣医師推奨で、アレルギーの心配がある子にとてもおすすめのフードです。
犬が唸るのをやめるしつけ方
犬が唸るのをやめさせるためのしつけ法は
褒めることを基本にします。
犬は気持ちよかった経験を何度も経験したいという欲求があります。
遊んでいるとき以外で犬が唸るのは
あまりよい気持ちがしていない時ですが、
唸ることをやめたら飼い主さんが
いっぱい褒めてくれたという
気持ちの良い体験にすることで
「唸らない=気持ち良い」と学習することができます。
また普段から、「スワレ」「マテ」「フセ」
などのコマンドを出して
できたら褒めるを繰り返しておきましょう。
よく食事の前だけ
コマンドを出している場合がありますが、
普段の時にしたほうが良いです。
褒め方は少しオーバーなくらいじゃないと
犬に伝わりにくくて、
犬が褒められていると理解できない場合があります。
私たちは褒めているのに、
犬が嬉しそうじゃなかったら、
褒めているのが伝わっていない可能性が高いです。
犬が唸るのをやめたらしっかり褒めて、
気持ち良いと感じるようにしていきましょう。
犬がさらに唸る悪いしつけ方
一番してはいけないしつけ方は、
怒ったり、怒鳴ったり、無理強いをすることです。
犬にしたら、理由があって唸っているのに
怒られたり、怒鳴られたりすると
納得できずにストレスがたまり、
反抗的な子になってしまうことがあります。
また、無理強いをされることも大きなストレスです。
犬はストレスがたまっていくと、
さらに精神が不安定になり、
心のバランスが崩れて
問題行動を起こしやすい子になってしまうんですね(´・ω・`)
犬が唸ったときに怒っても
リーダーとしての信頼は得られません。
むしろ、何が原因で唸るのかを理解し
取り除いたり、落ち着かせたりしたほうが
犬は安心できますし、
褒められればうれしいのであなたを大好きになります。
犬が唸るときに怒る、叱る、怒鳴る、無理強いをする
というしつけ方はしないようにしましょう。
天罰方式の落とし穴?おすすめしない理由
犬のしつけ方法に、天罰方式というのがあります。
これは犬が唸った瞬間に大きな音などをさせて
犬をびっくりさせ、唸ると嫌なことが起こる
と教えて唸るのをやめさせる方法です。
しつけの中には天罰方式と相性の良いもの
もありますが、犬が唸ることに関しては
天罰方式はおすすめしません。
この方法は有無を言わせずに
強制的に唸ることをやめさせるのと同じです。
それに、もしかしたら
何度も音を聞いていたら、
その音に慣れてしまって
天罰が利かなくなることもあります。
何か原因があって犬は唸るので、
その原因を理解したうえで行動をとったほうが
犬との信頼関係を築くことができます。
天罰方式は即効性はあるかもしれませんが
犬が唸ることのしつけではおすすめできません。
犬にも反抗期がある?!
じつは犬にも反抗期はあります。
時期はいつかというと、生後5ヶ月ころ。
これは犬の社会化期が生後16週くらいで
終了しますから、それから成犬になるまでの
人間でいうところの思春期に当たる時期です。
この反抗期の時期は、
あなたの言うことを聞かなくなったり
唸る・噛むなどの攻撃的な行動をすることもあります。
「なんだ~反抗期だったのかぁ」
と、おおらかに見てしまってはいけませんよ。
この時に、しっかりリーダーがあなただ
ということをわからせないと、
これがその後の問題行動につながるおそれがあります。
心のバランスが崩れる状態です。
でも、ここで注意してもらいたいのは・・・
暴力を振るったり力で押さえつける
ということは絶対しないでください(乂・д・´)!
暴力という行為は、あなたへの信頼を
なくしてしまい、反抗期をこじらせてしまうかもしれません。
暴力や間違った接し方が
愛犬に強いストレスを与えてしまい
心の問題から問題行動を起こす原因になります。
人間の場合だったら、反抗期になっても
思春期を過ぎて大人になると理性が育つので
ある程度見守っていてもいいかもしれませんが
犬の場合はエスカレートしていくことが多いです。
最後に
唸るのは愛犬の困った問題行動ですが
それには何らかの理由(原因)がありました。
あなたの愛犬がすぐ唸るようなら
まずは外的原因を疑ってみてください。
病気で無いことがはっきりしたら
あなたと愛犬の関係を冷静に見てみましょう。
散歩のしかたや愛犬との遊び方を
参考にしてもらって、愛犬に
あなたがリーダーだということを教えるだけで
ずいぶん変わるかもしれません。
本格的にしつけをするときには
しほ先生のしつけ術がおすすめです!
しほ先生のしつけ術では
主従関係をしっかりと築けるので
あらゆる問題行動をやめさせることができます!
色々と参考にしていただいて
あなたと愛犬に会う方法で
しつけを行ってみてください(^^)
トイプードル
雄
一歳半
落ち着きがなく、人間以外は何でも噛みます。
両手を差し出すと、唸ります。
手の施しようがなく、困り果てています。
どうしたらいいでしょうか。
始めまして!
コメントいただきありがとうございます(*^^*)
お返事大変遅くなりまして申し訳ありません。
1歳半ですか・・
ということはもうほぼ成犬と考えていい歳ですね。
プードル自体が、本来従順で忠実で賢い犬種ですが
それを小型化したトイプードルはさらに甘えん坊で
攻撃性も少ない犬種になっています。
とても落ち着きがないようですが、
病気の可能性はありませんでしょうか?
トイプードルは皮膚疾患にかかりやすい犬種でもありますし
かゆいなど体調不良があると攻撃的になることがあります。
病気の可能性がないとしたら、運動時間はどうでしょう?
プードルはもともと猟犬です。
基本的には20分程度の運動を1日に2回くらいでいいんですが
もしかしたら、とても活発な性格の子である場合、
運動不足によるストレスが原因かもしれません。
一度、ロングリードなどを使って、たくさん走らせてあげてみてはどうでしょう?
お散歩で走らせるために、自転車を使ったお散歩はおすすめできません。
あれはとても危険ですし、愛犬のことを考えたお散歩ではないです。
運動不足を解消してあげたら、驚くほどおとなしくなった
ということもよく聞くのでお試しになってみてください(*^^*)
あと考えられることと言ったら・・・
上下関係的に、あなたやご家族より
自分が上(リーダー)であると考えてしまっているかもしれません。
食事の時間や散歩の時間を、あなた中心に変えたり、
あなたの上に愛犬が手を置いた場合などは払いのけるなど
上下関係を見直す必要もある場合があります。
でも、人間は噛まないということですから
あなたに対して愛情はあると思います。
愛犬の行動だけを変えることはできません。
あなたが行動を変えたり、何かを試してみるなど
探っていくことで、愛犬の行動は変わります。
まだまだ、しつけ直せる年齢ですし、本来とても賢い犬種ですから
教える方向を間違えなければ楽しいわんこライフが送れますので頑張ってください!