犬の肉球はどんな仕組みなの?役割はある?
健康な肉球でいるためのケアの方法から病気やケガの見つけ方。
どうしてあんなにおいがするのかなど、犬の肉球あれこれをご紹介します!
これを見てもらえば犬の肉球についてかなりいろいろ分かるよう肉球の秘密大特集!
犬の肉球の仕組みは?肉球の構造について
私たち人間は、足を保護するために靴を履いています。
動物たちは裸足で歩いているわけですから
足を保護する物が必要です。
4足歩行する動物の多くは
足を保護するために足の裏に
肉球があったりひづめがついています。
こちらが犬(柴犬)の足の裏にある肉球です。
それぞれ名前がついていて
前足には爪、指球、掌球、狼爪、手根球
後足には爪、趾球、足底球
というのが犬の足の裏の構造です。
犬の肉球は前足と後足で名前が違うんですね(゜o゜;!!
爪は前足に各5本で後足に各4本あり
前足には人間の親指の爪にあたる
狼爪(ろうそう)があります。
(狼爪はない場合もあります)
この狼爪ですが、一見使ってなさそう
と思うかもしれませんが、
大きなものにかじりつくときなど
狼爪でがっしりと押さえていたりします。
またグレートピレニーズやブリアードは
犬種として犬種の標準として採用されています。
グレートピレニーズなどの険しい山を歩く犬は
しっかりと滑り止めとして狼爪を使っているから
犬種の標準となっています。
そして指球は私たちの手で例えると
人差し指から小指の指先の肉が
発達してできた場所です。
足底球は手のひらのように思いがちですが
実は指の付け根の部分が発達した場所になります。
ちょっと上あたりについている手根球
という肉球はあまり使われないので
小さくなっています。(後足にはありません)
写真の犬は肉球が黒ですが
基本的に犬の肉球はピンクと黒が基本です。
色に関しては両方機能的には同じですが
ピンクの方が皮膚が薄くて傷つきやすい傾向にあるそうです。
肉球の表面の皮膚は
角質層が厚くなったものです、
犬によっては子犬の頃は
肉球が綺麗なピンク色をしているのに
大きくなるにつれて黒くなっていきます。
これは地面との摩擦によって
肉球が鍛えられ、色素が沈着するためです。
そして強くなった表皮は触った感じも
固くなりますから、子犬の頃の
プニプニ感はちょっと薄れてしまいます。
あまり運動が多くなくても大丈夫な小型犬は
室内を歩いていることが多いので
成犬になってもプニプニしていることが多いです。
犬の肉球の役割とは?
肉球の一番の役割はクッションです。
大地を踏みしめたとき、
肉球によって力が分散されて
反動で受ける足の衝撃を和らげています。
肉球の中は弾性線維と脂肪組織
でできているんですが、
この2つのクッション作用で
強い力がかかっても衝撃を
軽減させることができるようになっています。
私たちで言うと、
エアークッション入りのバッシュを
履いているような状態かもしれません(^^)
その他にも、肉球の皮膚は
角質層が厚くなっていますから
地面の熱さや冷たさから
体を守る役割もあります。
角質層が厚いんだから感覚は鈍いだろう
と思いますが、じつは結構敏感な部分でもあるんです!
感じ方には個体差がありますが
肉球は「痛覚、触覚、圧覚」を感じとることができます。
とても敏感な子だと、触られるのを嫌がったり
つつくと、ビクッとなる子もいるんですね(^^)
肉球を触ってみると、
しっとりしているときはありませんか?
これは汗で、肉球は
犬が汗をかける数少ない部分で
私達が書くのと同じ種類の汗が出る
エクリン汗腺が肉球に集中しています。
犬はどうして馬のようなひづめではなく
肉球なのかというと…
犬の祖先たちは狩りをして
獲物をとっていたので
爪の形が鉤爪(かぎづめ)といって
対象物にがっちり食い込める爪になっています。
また肉球の方が音がしないので
狩りをするときに相手に気付かれにくい
というメリットもあります。
それに対してひづめを持つ動物は
走ることで命を守っていたため
大地をけり出すのに有利なひづめを
発達させたんだそうです。
狩るか狩られるか…
自分たちの命を守るために
有利な方に発達していったということですね!
犬の肉球は守ってあげてください!
犬の肉球は再生能力が低いです!
ケガなどをするとなかなか治らない場所なんですね(´・ω・`)
ですからそもそも犬の肉球を
ケガなどから守ってあげる必要があります。
みなさんもすでにお気をつけていると思いますが
夏のアスファルトでやけどをすることがあります。
夏場のアスファルトは表面温度が
50度を超しますからね(゜o゜;!!
アスファルトはもちろんですが
マンホールのふたなんかも
かなりの高温になっているので
いくら分厚い角質でできている
犬の肉球といえどやけどをしてしまいます。
なので、お散歩は朝早くか夕方など
アスファルトの表面温度が高くない時間
に行くようにしましょう。
ただし、夕方になって周りの気温が
ずいぶん落ち着いたと思っても、
アスファルトが冷えていないでまだ熱かった
ということもあるので夕方のお散歩をよく注意してください。
あともう一つ気をつけたいのが
草むらなどで遊んでいるときに
割れた瓶や空き缶などを踏んで
ケガをしてしまうことです。
また人間が飲食したあとの
割りばしやその他の危ないものが
落ちていることもあります。
犬を遊ばせるときはできるだけ
足元が見える場所で危険な物がないか
ざっとチェックをしてから遊ばせると
ケガをする危険を回避することができます。
このように、肉球を保護するための
犬用の靴というのも売られていますので
このようなグッズも合わせて使って
肉球を保護してあげるといいかもしれません。
「犬用 靴」で検索してもらうと
お散歩用からレインブーツ
雪対策のブーツなどが
大型犬用から小型犬用まで
たくさんの種類やデザインがあります。
見てるだけで楽しくなっちゃいます(笑)
もちろん夏場だけじゃなくて
冬の寒さから守る意味でも靴は有効です。
犬の肉球のケア!お手入れとひび割れのケア
犬の肉球ケアで大切なのは
肉球の間から出てきている被毛の処理です。
肉球には汗をかいて
滑り止めにする効果がありますが
被毛が肉球を覆ってしまって
滑って転んでしまいやすくなります。
特に室内だと、フローリングで転んで
ケガをしてしまう危険があるので
犬の肉球をケアするときは
被毛が長くなっていたらトリミングをするようにしてください。
あと、肉球のケアというと
肉球の保湿クリームなども良いかもしれません。
どうしても気になって舐めてしまうので
保湿クリームを使うときは
舐めても大丈夫な物にしてください。
このような商品ですね(^^)
肉球が良くひび割れてしまう子ですが
お散歩から帰ってきた時に足の裏を
水拭きしていらっしゃるからかもしれません(´・ω・`)
水洗いや水拭きがひび割れの原因になります。
人間のお肌と同じで、水で拭くことで
皮膚のバリア機能も拭き取ってしまい
皮膚内の水分まで蒸発してしまって
余計に乾燥を進めてしまいます。
皮いた布でふけば汚れは落ちます。
どうしてもそれだと汚くてイヤだ
という方は先ほど紹介した
靴を履かせるという手もあります。
保湿クリームを使うこともケアの1つですし
犬とのスキンシップにもなり
どこを触られても嫌がらない子に
するためには良いんですが…
実際に舐めてしまったり、
床で拭き取られてしまうなどして
効果が薄くなってしまう場合もあります。
これだと拭き取ってしまったバリア機能を
保湿クリームで補えるほどの効果がなく
ケアをしてもひび割れが治らないわけです。
肉球のひび割れは犬にとっても
見ている私たちにとってもツライので
ひび割れが治らない子は
肉球を濡らさないようにして
乾いたタオルで汚れをふき取るようにしてみてください。
犬の肉球はどうしてあの匂いなの?
犬の肉球のにおいをかいで
癒されている飼い主さんもいらっしゃるでしょう(^^)
犬の肉球は多くの人が
ポップコーンの匂い!と
感じる方が多いようです。
芸能人の愛犬家の方も
ポップコーンの匂いと表現されてますよね♪
その他には
- 焼とうもろこし
- とんがりコーン
- コーヒー豆の袋をあげたとき
という香ばしい系の匂いだという意見の他
- 靴下のようなにおい
- どぶのにおい
- 雑巾のにおい
などなど悪臭だと思っている意見もあるようです。
それではどうして犬の足は
そんなにおいがするのでしょうか??
先ほどもご紹介したように
犬の肉球は汗をかきます。
それはエクリン汗腺から出る汗で
ほとんどが水分なんですが
色々な成分も混じっています。
その中でにおいの元になる物質もあり
- 細菌の繁殖を助長する物質
- アンモニアや尿素
- 脂肪酸
なども含まれています。
また汗が分泌されるときに
皮脂腺からの脂が混じって
皮膚表面のバクテリアが発酵して
匂いの原因になります。
これは私たちも同じような仕組みなので
犬の肉球に匂いがあるのは
汗腺があるので当然のことなんですね♪
犬が肉球を舐めているけど放っておいていい?
犬がペロペロと肉球を舐めている場合
それがあまり長時間でなければ
体のお手入れをしているので
放っておいても大丈夫です。
しかしいつまでも肉球を舐めていたり
しょっちゅう肉球を舐めている場合は
何らかの原因がある場合があります。
考えられる原因としては
指の間に異物が挟まっている
ケガをしている
かゆみがある
不安やストレスを感じている
などがあげられます。
【指の間に異物が挟まっている】
犬には指がありますが、犬の指は自分の意思で自由に動かすことができません。
だから、指の間に何らかの小さい異物が挟まっていると、それをとろうとして足の裏を舐めることがあります。
指の間をチェックして、何か挟まっていないか確認をしてあげてください。
【ケガをしている】
大きなケガだったらすぐに気づいてあげられるかもしれませんが、小さい傷の場合は見逃しがちです。
犬はなめることで傷の手当てをしてしまうことがありますが、唾液の中には細菌も多いので傷が悪化してしまうこともあります。
傷で怖いのは傷口から菌が入って感染症になってしまうことです。
小さな傷でもできるだけ動物病院に行って手当をしてもらいましょう。
【かゆみがある】
これはアレルギーによるかゆみがあって舐めていることが考えられます。
アレルギーに関して詳しくは「犬のアレルギー」の記事で詳しくご紹介していますのでご参照ください。
アレルギーが原因の場合は、放っておいたら悪化し、脱毛したり症状が重くなりますので、早めに動物病院でアレルギーの原因を突き止めるなどの検査や治療が必要です。
【不安やストレスを感じている】
犬は強い不安やストレスを感じている時、体の一部を舐め続けることがあります。
場所は肉球とは限りませんが、肉球を舐め続けていたら不安やストレスも疑ってみましょう。
ストレスも放っておくと、問題行動に発展することがありますので、犬のストレスの記事をご覧いただきチェックをしてみてください。
犬の舌はザラザラしているため
同じ部位を舐め続けていると
炎症をおこしてしまいます。
犬に肉球を舐めるのをやめさせようと
包帯を巻いたとしても
すぐに食いちぎってしまいますし
エリザベスカラーなどをまいても
ストレスや不安が強くなる可能性があります。
舐めるのをやめさせるには
舐める原因を取り除くことが一番です。
ケガや炎症、アレルギーが無いか
動物病院でまず確認します。
これらのことが原因ではなかったら
ストレスなどを見直してみましょう。
犬の気を紛らわせるために
犬が肉球を舐め始めたら
オスワリやフセなどの号令をかけて
それに従ったら褒めるなどを
繰り返していると舐めるのを忘れることがあります。
原因を取り除き、気を紛らわせて
リラックスさせると肉球をなめなくなります。
このように、大切な犬の肉球を
しっかり守ってあげるためにも
動物病院との連携は必要です。
大きなケガや病気を疑える場合は
躊躇せずに動物病院へ行かれると思いますが
小さいケガや傷、わずかな変化でしたら
様子を見ようと思うこともあるんじゃないでしょうか。
愛犬がいつまでも元気で
健康に過ごせるためには
行きつけの信頼できる動物病院を作り
獣医さんと情報交換をすることが大切です。
犬にとっても、ケガや体調不良など
治療するためだけに動物病院に行くと
病院は痛くて不快な場所だと認識し
病院へ行くのを嫌がるようになります。
気軽に動物病院へ行くためにも
せめて費用の負担を軽くするために
ペット保険に入っておくことをおすすめします。
多くのペット保険があるので
どんな保険が良いのか迷われると思いますが
全国の動物病院で使える
無理なく続けられる保険料
保証内容が充実している
支払いがスピーディ
加入が手軽にできる(診断書不要)
などで愛犬家の間で評判の高い保険は、
- もっとぎゅっと少額短期保険株式会社の「安心ペット保険」
- ペット&ファミリー少額短期保険株式会社の「げんきナンバーわん」
になっています。
年齢や体型(小型・大型など)で
実際に保険料がいくらになるのか
公式サイトでシミュレーションができるので
この機会に資料請求だけでもしてみたらいかがでしょうか?
公式サイトから資料請求の申し込みも簡単です(^^)
肉球で気をつけたいトラブルや病気とは?
犬の肉球の役割でご紹介しましたが
肉球は体重や衝撃を分散させる
クッションの役割があります。
お散歩などでアスファルトの上を歩くので
犬の肉球は段々硬くなるのは
仕方のないことなんですが、
あまり硬くなってしまうとクッションとしての
役割が果たせなくなって関節のトラブルや
骨折などの危険があります。
また肉球にひび割れなどがあると
出血があり、ひび割れ部分から
細菌が入って感染症になる可能性があります。
感染症で特に怖いのが「破傷風」です。
破傷風は土の中の破傷風菌が傷口から入り
神経をおかし、5日以内に死亡することの多い病気です。
破傷風の症状は、口や眼球の筋肉が収縮し
口が開かなくなったりまぶたが痙攣します。
やがて痙攣が全身に広がり
四肢がつっぱったまま曲がらなくなります。
破傷風菌は土中に住みついているので
ケガがあったり、ひび割れがある場合は
土がつかないように十分気をつけてください。
ちなみに破傷風は三種混合ワクチンで
予防することができます。
致死率の高い病気なので、
ワクチン接種をしておきましょう。
犬の肉球のマッサージ方法
さて
犬の肉球についていろいろ見てきましたが
肉球の役割や大切さなどがわかりましたね♪
犬にとって大切な肉球ですから
毎日のケアとして肉球マッサージを
取り入れてみませんか?
肉球のマッサージは人間もそうですが
とても気持ち良くて血行が良くなり
リラックス効果もあるそうです。
※ASPCA(アメリカ動物虐待防止協会) より
保湿クリームを使って
肉球をモミモミしてあげると
犬もとても気持ちよさそうな表情になります。
実際の肉球マッサージの方法としては
日本ペットマッサージ協会の
理事長さんが考案した
マッサージの動画を後ほどご紹介します。
こちらの「2:55」から具体的に
マッサージのやり方を解説されています。
とてもわかりやすいですので参考にしてください。
「8:00」からはツボの押し方も解説されています。
押すツボは
- 前足の掌球あたりにある「労宮」
- 後足の足底球あたりにある「涌泉」
というところで、押し方も見ることができます。
その他
指のさすり方なども撮られているので
この動画一つで肉球だけじゃなく
足回りのマッサージ方法がすべてわかります。
肉球マッサージのタイミングと注意事項
肉球マッサージを犬にしてあげると
とてもリラックスし、疲労も回復します。
マッサージを行うタイミングとしては
犬がゆっくりしているうとうとしているときに
行う方もいらっしゃるかもしれません。
ただ犬が寝ている時は
睡眠の妨げになるのでおすすめしません。
飼い主さんであるあなたの
心の余裕があるリラックスタイムに
犬を近くに呼んで行ってあげるのが
ベストタイミングです。
あくまでタイミングはあなた主導で決めてください。
毎日完璧なマッサージをしなくても大丈夫です。
今日はあまり時間がないから
ツボ押しはできないとか、指のケアは今度。
といったように、あなたの都合で
メニューを決めてもらって構いません。
肉球マッサージをする目的は、犬の肉球のケアです。
信頼関係を高め、ケガなどの早期発見
健やかな肉球を維持するために行います。
効果としては血行を促進させ
体が温まるなどのめぐりをよくしたり
犬がリラックスするセラピー効果もあります。
気持ちよさそうな犬の姿を見ると
私たちの気持ちも癒されるので
お互いに良いことづくしではありますが
「犬のために」という気持ちが強くなり
こちらが奉仕する立場になってしまうと
リーダーとしての優位性の問題になります。
マッサージはあなた主導で行うようにしてください。
犬の肉球についての豆知識
犬の前足は私たちの手にあたりますが
手のひらを全てつけている状態ではありません。
人差し指から小指までの4本だけを
地面につけて親指の部分を浮かしている
状態で歩いています。
そして足の形によって
「猫足」とか「ウサギ足」と分けられることがあります。
猫足とはドーベルマンや秋田犬などで
地面に設置する面積が少なくて
まるで猫の足のように見える形です。
ウサギ足とはボルゾイやグレイハウンドなど
人間でいう中指と薬指にあたる指が
他の指よりも長いタイプです。
猫足やウサギ足のほかにも
ゴールデンやラブラドールなどの
レトリバーは指と指の間に
水かきがついています。
指と指の間に水かきのような皮膚があり
「水かき足」と言われています。
水中作業のための犬種に見られる足の形です。
いかがでしたでしょうか?
これで愛犬の肉球について
かなり詳しくお分かりいただけたと思います。
いつまでも元気で楽しくお散歩ができるよう
犬の肉球をしっかり守ってあげてくださいね(^^)