犬が「畳」を掘るのはなぜ?
せっかくきれいな畳を愛犬が掘り掘り・・・
「きゃー!畳がぁ~」なんてことありますよね。
現在の住宅状況はフローリングが増えてきたとはいえ、畳敷きの和室があるお部屋もあるでしょうし、好んで畳を使いたいと考えていらっしゃる方もおられます。
犬は、フローリングでも畳でも掘る行動をしますが、畳を掘るほうが夢中になる傾向が強いといえます。
そもそも、犬はどうして「畳」を掘るのでしょう?
早速答えですが犬が畳を掘るのも、犬が穴掘りをする理由とほとんど同じです。
犬は穴掘りが大好きな子が多いです。※犬が穴掘りをする理由については、この後に詳しくご紹介します。
犬が穴掘りを好きなのは、犬の本能というかDNAに刻み込まれているものでしょう。
というのも、犬の祖先は獲物を探すために、獲物の巣穴らしきところを掘ったり、食べ物を隠すために穴を掘ったりしていました。
人間と一緒に暮らし始める前から穴を掘るという行動が生活の必須事項になっていたということです。
そして「畳」に関して言えば、畳は掘る時に畳のイグサの部分に爪が引っかかりますから、土を掘っている感覚に近くなり本能が満たされやすくなります。
犬にとって畳の特性が程よい刺激になるので、ついつい夢中で畳を掘り続けてしまうと考えられます。
しかも畳を掘る場合は、フローリングを掘るよりも「変化」があります。
フローリングの場合は表面に傷がつくくらいだと思いますが、畳の場合は掘っているとイグサが切れてほつれてささくれ立ってきます。
もっと畳を掘っていると完全にイグサが切れて穴が開いてくるという犬にとっては見た目の変化を楽しめます。
この犬が畳を掘った結果の見た目の変化は、一種の達成感にもなるんですね。
フローリングで飼っていた時よりも畳の部屋で飼い始めたら、犬の畳掘りが始まった(激しく掘るようになった)というお話やご相談も少なくありません。
これは、畳を掘るほうが掘っている感覚が多く味わえて達成感も得られるからということが考えられます。
犬が「畳」を好んで掘ってしまうことについては、以上のことが原因と考えられますが、そもそも犬が穴掘りを好きなのはなぜなのか、詳しく理由を見ていきたいと思います。
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犬が穴掘りをするのはなぜ?
「ごはんだよ~!」
声をかけても一心不乱に穴掘りの行動に夢中になっているということがあります。
どうしてそんなに夢中になって、犬は穴掘りをするのでしょうか?
基本的なことですが、犬は人間と一緒に暮らし始めてから1万5000年くらい経過していますが、本能の部分や習性として犬の中に色々と残っております。
犬が穴掘りをする理由も本能の名残や習性として行っているところがあります。
それに加えて、感情面からの理由と、心の病気になっている可能性まで多岐にわたります。
- 巣作り
- 安心感を得たい
- 大切なものを隠したい
- 狩りの名残
- マーキング
- 温度調節
- カーミングシグナル
- 暇つぶしや遊び
- 好奇心がうずく
- 気が引きたい
- 満足からくる行動
- ストレス
- 常道障害
犬が穴掘りをする理由~習性によるもの
まずは犬が穴掘りをする理由として考えられる本能の部分や習性によるものから見ていきたいと思います。
犬が穴掘りをする理由が習性によるものだとしたら、無理やりやめさせることは犬にとってのストレスにつながります。
穴掘りをする理由を見誤ると、愛犬との信頼関係にも影響が出かねませんので要注意です。
巣作りをしている
先ほど犬は人間と一緒に暮らし始めてから1万5000年くらい経過しているとご紹介しましたが、もちろん野生で暮らしている犬もたくさんいました。
そういった犬たちは、夜寝る時に穴を掘って巣穴を作って寝ていました。
この名残が残っていて、寝るところは安全で快適で自分の気に入るように整えたいと思い、寝床の部分に穴掘りするしぐさをします。
安心感を得たい
犬は私たち人間が思っている以上に不安を感じやすい動物です。
ちょっとした変化にも敏感で、飼い主さんの接し方はもちろん、外から聞こえてくる音や空気の匂いなどの変化も感じ取るけれどその原因がわからないので、どうしても不安を感じやすい状態です。
社会化期に十分社会化ができていなかった場合、特に小さなことで不安を感じてしまうようになります。
寝るということは無防備になることですから特に安心したいという気持ちが強くなることがあります。
そんな時に、穴掘りをすることで自分の匂いや好きなものの匂いが周りに舞い上がるので、その匂いを嗅ぐことによって安心することができます。
大切なものを隠したい
犬が飼い主さんの靴下やお気に入りのタオル、スリッパや靴などをどこかに隠してしまうことがあると思いますが、それは大切なものを隠したいという気持ちからです。
本来は、土に穴を掘ってそこに埋めたいところですが、室内では穴が掘れないので見つからないところに隠してしまうんですね。
野性時代は食べかけの獲物など、穴を掘って隠していたのでその名残ですが、犬がお気に入りのものをくわえながら穴掘りをしていたら、大切なものを隠したいという気持ちが働いているのかもしれません。
狩りの名残
人間と暮らすようになってからも、猟犬として巣穴を掘って獲物を追っていた犬種があります。
例えばテリア種。テリア種は穴掘りの名人です。※テリアの語源はラテン語で「大地」や「地面」の意味の「テラ」からだそうです。
狩りでも、アナグマやネズミの巣穴を掘って追い立てていたので穴掘りが得意です。
テリア種のほかにも、ダックスフンドやビーグルなど、小動物を追う狩猟犬として活躍していた犬は、ハンティングモードに入って穴掘りをしてしまうことがあります。
マーキング行為の一つ
マーキングというと、片足をあげて高いところをめがけておしっこをするというイメージが強いと思いますが、犬にとってマーキングはそれだけではありません。
例えば、ウンチをした後に後ろ足で土をかけるしぐさもマーキングの一つです。
これは「排泄物を隠そうとしている行動」というより、土を蹴り散らかすことで自分の匂いを広げてなわばりを主張する行動です。
犬は人間には全身にある汗腺(エクリン腺)が肉球にしかありません。※病院嫌いの犬が病院に連れてこられたときに、緊張して肉球がビチョビチョに濡れていることがあるくらいです。
この汗が出る肉球で触れた土もマーキングの効果があるため、穴を掘ることによってマーキングをしていると考えられます。
温度(体温)調節
犬は先ほどもふれたとおり、汗腺が肉球にしかありませんので、汗をかくことで体温調節をすることができないのはご存じのとおりです。
そもそも犬は体温調節が苦手な動物なんですね。
野性時代からの知恵として、地表よりも地中のほうが温度変化が少ないため、暑い時は冷たく寒い時は暖かく感じることを利用していると考えられます。
犬種によって、非常に暑さが苦手な犬種もいれば逆に寒さが苦手な犬種もあります。
お散歩中などに穴を掘ってうずくまったり、お尻をくっつけている場合を見かけたら、それは体温を調節したいと思っている行動なので対処してあげる必要があります。
カーミングシグナル
しつけやトレーニングをしている時に地面を掘る行動をしていたら、愛犬家らのサイン(カーミングシグナル)かもしれません。
特に新しいことを教えようとしている時や、飼い主さん側もしつけが不慣れな時など、つい夢中になり思ったより長時間しつけやトレーニングをしてしまうことがあります。
うまくできなくて繰り返し同じことをさせてしまったり、できるまでやろうとしてしまう気持ちもわかりますが、犬も集中力が続く時間はそんなに長くありません。
個体差やトレーニングのやり方にもよりますが、犬の集中力は15分と言われています。
飼い主さんに怒られていたりがっかりされていると、さらに集中力は短くなると考えてもらったほうが良いです。
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犬が穴掘りをする理由~感情によるもの
次に犬が穴掘りをする理由は、犬の感情や気持ちからくる理由になります。
感情や気持ちから穴を掘っている時は、どんな気持ちなのかその背景まで考えてあげて、放っておいていいのか?何かしてあげるべきなのか?を判断するようにしてください。
暇つぶしや遊び
先ほどご紹介した巣穴を作っている行動は寝る前や眠い時に多い行動ですが、眠くもなさそうなのにノリノリで穴を掘っていたら、それは遊びかもしれません。
他の犬が穴を掘るしぐさを見て、真似をしてみたら楽しくなってしまって、穴掘りを遊びとして取り入れるケースもあります。
その他、長時間の留守番をさせているなど、犬がエネルギーを持て余していること
も考えられます。
ようするに、単なる「暇つぶし」ということですね。
ずっと遊んでくれる飼い主さんもいないし、運動したいけど運動もできない…畳やカーペットをホリホリしてたら夢中になっちゃった。という状態も考えられます。
好奇心がうずく
犬は、人間では感知できない匂いをたくさん嗅いでいます。
特にお庭など地面がある場所では、地中から人間では嗅ぎ分けられないたくさんの興味深い匂いがしています。
狩りをしたいわけではないけど、地中からミミズの匂いや何らかの生き物の匂いや気配を感じ取ると、好奇心に駆られて穴を掘って確認したくなります。
人間はただ土の匂いくらいしかわかりませんが、犬には不思議な匂いがたくさんしているんですね。
気を引きたい
飼い主さんの気を引くためなら、犬はあらゆる行動を起こします。
飼い主さん側は特に意識をしていないことも多いですが、たまたま声をかけたタイミングも犬は覚えていて、声をかけてもらうために同じ行動をすることもあります。
とても健気ですね。
穴を掘るしぐさをしていた時に「どうしたの~?」などの声をかけてもらったことがあれば、飼い主さんの気を引くために穴を掘る可能性があります。
中には、飼い主さんが声をかけてくれるのなら「叱られる」のでも構わないと思う場合もあります。
満足からくる行動
ご飯を食べた後、楽しく遊んだ後など、嬉しいことの後に穴掘りをしていたら満足からくる行動と考えられます。
要は、嬉しいことで上がったテンションや気持ちを抑えきれなくて思わず穴を掘ってしまうという状況です。
もちろん、満足したらすべての犬が穴掘りの行動をするわけではありませんので、穴掘りをしないから満足していないわけではないです。
犬の気持ちを探る難しさの一つに、その行動の理由が良い意味と悪い意味といった正反対の気持ちが考えられる点があります。
今回の満足という良い意味であればよいのですが、次でご紹介する不安やストレスを感じているという悪い意味でも穴掘りをします。
ストレス
不安な気持ちやイライラする気持ちなど、ストレスに結び付く気持ちが強くなるとその興奮を落ち着けるために犬は穴掘りをすることがあります。
「嬉しさの興奮」でも「ストレスがかかることの興奮」でも、犬は興奮を落ち着けるために穴掘りをすることがあるということです。
犬にとって一番大きなストレスになることは「運動不足」です。その他にも
- 暇がすぎる(遊ぶおもちゃがない)
- 犬らしい行動ができない(嗅ぐ、引っ張りっこなど)
- 留守番が多い
- 飼い主と遊ぶ時間が足りない
- 不安が取り除かれない
- 叱られることが多い など
人間は自分で生活環境を変えてストレスを回避できますが、犬は飼い主さん次第なので、ストレスがうまく解消されずにたまっていきやすい部分があります。
ストレスはたまると攻撃性(噛む・吠える)に向かいやすいというところは忘れてはいけないところです。
犬が穴掘りをする理由~病気の可能性
最後は穴掘りがどうして病気と結びつくのかとお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、病気と言っても体ではなく心の病気です。
犬は安心して飼い主さんに頼れない(信頼関係が築けていない)・社会化が不十分で怖いものが多い・犬としての本能が抑制されているなどの場合、心の病気になりやすくなります。
常道障害
強迫性異常症とも言いますが、穴を掘るという無意味な行動を繰り返すことは心の病気の行動の一つです。
飼い主さんが声をかければやめる場合は軽度ですが、声をかけてもやめられない場合は犬自身が行動の制御ができなくなっていることも考えられます。
犬は人間の社会で飼われているので、そもそも様々な制約の下で生きています。
正しく犬を理解して飼えていないとただでさえストレスがたまりやすいのに、ストレスを発散することができなければ心の病気になってストレスからの逃避行動として同じ行動を繰り返します。
声をかけても穴掘りをやめなかったり、10分以上の長時間にわたって穴掘りをしているような場合は、心の病気を疑ってあげてください。
犬が畳を掘る時の対策~畳で飼うのは大変?
犬が畳を掘ることの理由についてはお分かりいただけたと思いますが、「畳」というのはフローリングよりも特徴のある床材です。
この「畳」という特徴的な床材にスポットを当てて、犬を畳で飼うことに関してみていきたいと思います。
最近では少なくなってきている畳という床材について少し理解を深めておきたいと思います。
畳は畳床・畳表・畳縁と、いたってシンプルな構造でできています。
圧縮された藁やポリエチレンフォームなどで作られた畳床(たたみどこ)にいぐさを編み込んだ畳表(たたみおもて)をかぶせて畳縁(たたみべり)で縫い付け固定
をしたものが畳です。
畳の特徴としては以下のものがあげられます。
- 高い吸湿・放湿性
- ソフトな構造からくる弾力性
- 高い吸音・遮音効果
- 断熱・保温性に優れている
- さわやかな香りによる癒しの効果 など
この畳の特徴から、日本で好まれて使われてきた床材になっています。
それでは犬にも好ましい床材なのか?というと…そうとも言い切れないところがあります。
- 足腰に負担がかかる
- 粗相をしやすくなる恐れがある
- 掘られると傷みやすい
畳は弾力性があることから犬にとってのメリットだと考えられる場合もありますが、表面がつるつる滑りやすいため、足腰に負担がかかる恐れのほうが強く考えられます。
股関節形成不全、膝蓋骨脱臼、椎間板ヘルニアなどの股関節の病気を発症する危険性が高くなる恐れがあるということです。
また畳縁(たたみべり)などに爪をひっかけてつまずいたり転倒する危険もあります。
そして、畳は匂いを吸収しやすいので、犬の匂いが部屋に染みつきやすいほか、おしっこなどの匂いも吸収しやすいです。
おしっこの匂いを吸収してしまうと、そこをトイレと認識してしまう恐れもあり、粗相の原因にもなります。
さらに、草むらで排泄をする習性も持っていますので、畳のイグサは草むらに近い感触が得られ、最適な排泄場所として認識される可能性もあります。
トイレシートの上よりも、畳という草むらの好きな場所で排泄をするほうが犬にとっては好まれるわけです。
掘られると傷むのは仕方ないと割り切れたとしても、ほつれたイグサを食べてしまうケースも実は少なくないので下痢などの健康被害も報告されています。
イグサを食べようとしたときに出た唾液もそうですが、水分がしみこみやすい構造ですので、ダニや細菌が繁殖することもありますし、カビ発生の原因にもなります。
実際に畳で犬を飼っていらっしゃった飼い主さんから聞いた話をいくつかご紹介しておきます。
- 畳で飼うなら犬を入れる前にペット対策は必須!
- 子犬時のことですが、粗相されると秒でみるみる吸い込まれていった(´;ω;`)
- 畳を変えた時真っ黒に恐ろしいほど変色していた!
- 染みたおしっこの匂いをとるのは一筋縄ではいかない!(時間がかかる)
これは一部ですが、対策をしないまま畳で犬を飼うのは大変だということは認識しておいてもらったほうが良いようです。
畳に関することをご紹介してきましたが、犬が畳を掘る対策をする上で、「犬が穴を掘りたい」という犬の心理を知ることも大切なことです。
畳を掘りたい!穴を掘りたい!という犬の気持ちを無視してしまうと、犬にとって本能を満たせずに大きなストレスとなってしまう恐れがありますからね。
さらに言うと、気持ちを理解してくれない飼い主に対して、せっかく築いてきた信頼関係にも悪い影響を与えかねません。
このような理由から、まずは犬が穴掘りをしてしまう時の対策についてご紹介していきたいと思います。
犬が穴掘りをするときの対策方法
犬が穴掘りに夢中になることは本能からくることでので、どうしても問題がある場合以外はある程度許してあげたいところです。
穴掘りができるようなお庭があれば、柵で囲むなどして穴掘りをして良いスペースを作ってあげたり、室内で安全に穴掘りができるように市販の「穴掘りマット」を用意するのも対策になります。
「穴掘りマット」として販売しているものじゃなくても、フードを隠せる「ノーズワークマット」でも代用できるので、素材や形状など掘っても安全そうなものを選んであげてください。
しかし、穴を掘る行動は裏側にストレスを感じている結果である可能性もあります。
犬の穴掘りを対策するために、4つのことを見直してみてください。
- 寝床を見直す
- 運動量を見直す
- 関係性を見直す
- 犬の気持ちを見直す
穴掘り見直しポイント1,寝床
愛犬をかわいがるあまり、犬を好きなところで寝かせてあげるという飼い主さんもいらっしゃいます。
犬のハウスやクレートなどを用意せずに、フリーにしている室内のどこでも好きなところで寝かせてあげているというケースです。
これは一見すると素敵なことに思われるかもしれませんが、基本的にはお勧めすることはできません。
犬はオスのほうが強いと言われていますがメスも縄張りの意識があります。
広い空間のどこで寝てもよいという状態は、犬にとっては広い縄張りの中で寝るということになりますので、寝てはいますが「ゆっくりと落ち着いている状態」になりにくいです。
できれば、クレートのような両側と上を囲まれた巣穴のような場所を用意して、タオルや毛布などで寝床の硬さや温かさを調節できる空間を用意してあげてください。
落ち着ける巣穴のような環境を用意してあげることで、就寝前の巣穴づくりや安心感を得たい・温度調整やマーキングといった理由の穴掘りがぐっと減ります。
落ち着ける場所だと認識できれば、不安もなくなりますし余計な好奇心を刺激されることもかなり少なくなります。
穴掘り見直しポイント2,運動量
毎日、犬種ごとの目安としてのお散歩はされていると思います。
ただ、犬種ごとの目安はあくまで目安であって、運動量というのは非常に個体差があるものです。
犬にとって、運動欲求が十分に満たされていない状態というのは大きなストレスになり、どうにかエネルギーを発散させようとするものです。
そしてこの運動量というのは、ただ愛犬をたくさん歩かせたり走らせたりすればいいわけではないというのが難しいところです。
犬は人間の役に立つことで人間とともに暮らしてきた動物なので、知的欲求を満足させたり、達成感を感じたりすることも必要です。
お散歩による運動に加えて、別に「遊ぶ時間」も毎日とり、ノーズワークや引っ張りっこ遊びなども取り入れて、総合的に運動量として見てもらったほうが良いです。
愛犬の性格なども考慮してもらうことになりますが、ドッグランなどで思いっきり走らせる機会も作ることが望ましいでしょう。
運動量に満足していられると、エネルギーを発散させるために一心不乱に穴掘りをすることもかなり少なくなります。
穴掘り見直しポイント3,関係性
これは愛犬と飼い主さんの関係性です。
犬は信頼できる飼い主さんとの間に理想的な主従関係を築けている時が、一番精神的に安心していられます。
逆に、飼い主さんとの関係が崩れている時は、常に気が張っていて落ち着かず、不安に感じることも多くなります。
- 毎日トレーニングはできているか?
- 愛犬をベストなタイミングで褒められているか?
- 愛犬に伝わらない叱り方をしていないか?
- スキンシップは取れているか?
- 逆にべったりしすぎていないか? など
愛犬が安心できる環境を作ってあげるためには、犬に信頼してもらえるような飼い主としての行動や関係性が必要になります。
子犬の時はしつけを強く意識していたので頑張っていたことも、成犬になるとできて当たり前になることで忘れてしまうこともあります。
愛犬がいつでも安心して生活をしていられるような関係性を築き続けることは、犬の穴掘り問題にも影響してくると思っていていただければと思います。
穴掘り見直しポイント4,犬の気持ち
最近お留守番が多くなっていたり、飼い主さんが忙しくて遊ぶ時間を十分に取れていないといったことはありませんか?
飼い主さんの気を引くためなら、飼い主さんが驚くような行動をとることがあります。(例えば、仮病をするということもありますし、粗相をするということもあります。)
暇な時間が長ければ、おもちゃに飽きてしまうかもしれませんし、穴掘りで暇をつぶすことも考えられます。
犬の気持ちを汲んだ行動を飼い主さんがとれていない場合も、犬は穴掘りをしやすくなってしまいます。
また、犬は自分の気持ちを言葉で伝えられませんし、犬のしぐさであるカーミングシグナルは人間側が誤解しやすいものも少なくありません。
人間の目線で理解しようとしたり、犬を擬人化して考えてしまうと犬の気持ちとは全く違う判断をしてしまいがちです。
それに飼い主のあるあるとも言えますが、愛犬の行動がかわいいと「嫌がっていること」でもしつこく無理強いしてしまうことがあります。
以上、これら全て悪意があっての行動ではないのですが、犬の気持ちを考えるとストレスになっていることは否めません。
犬の穴掘りを対策する上で、愛犬にストレスになることはできるだけ避けるということは必須事項と言えます。
犬が畳を掘る時に実践する対策方法
犬が畳を掘る場合の対策についてですが、これまでご紹介してきた「犬が穴掘りをするときの対策」に加えて、さらに対策が必要になります。
必須な対策としては、「防水」です!
畳のデメリットとしてご紹介した、「吸水してしまう」効果を無効化する対策は必須になります。
一番手っ取り早い対策方法は、「ペット専用畳」や「犬用畳」に畳を張り替えるというものです。
ペットの専用畳は、抗菌撥水加工や滑り防止加工が施された耐久性の高いタイプの畳になりますので、犬が畳を掘る時のデメリットをずいぶん解消することが可能です。
ただ、い草の香りや畳独特の感覚など人間目線での「畳」を楽しむことは難しくなる可能性は大です。
畳を張り替えることが困難な場合は、防水効果のあるマットを敷いたり、撥水加工が施されたラグを敷くことがおすすめです。
吸水を防ぐことに加え、ひっかきや誤食の防止に適しています。
犬を畳で飼う時点で、畳がボロボロになってしまうのはある程度覚悟されていると思います。
ただ、畳で飼うデメリットでご紹介したように、愛犬のけがや誤飲による健康被害を防ぐことが大切ですから、犬が畳を掘る時の対策はしておいていただきたいと思います。
畳の上に防水加工がされたカーペットを引いて対策をするのもいいですが、犬種によっては抜け毛の問題が大変になる場合も考えられます。
お掃除の面も考慮して防水対策をしてもらえればと思います。
あとトイレの位置ですが、犬用トイレは畳のお部屋には設置しないで、フローリングの脱衣所や人通りの激しくない廊下に設置したほうが良いかもしれません。
最後に
今回は犬が畳を掘る理由やその対策についてご紹介してきました。
犬はそもそも穴を掘ることが好きであり、本能に刻まれている「習性」の部分もあります。
ですから、犬に穴を掘ることを無理矢理やめさせることはお勧めできないということはお分かりいただけたと思います。
ただ、穴を掘ることが犬のストレスによるものの可能性もありますので、見直せる部分は見直して対策をすることは大切です。
そして畳を掘ることに関しては、あらゆる水分を吸収してしまうという特性と畳の素材の特徴から、まず畳に対策をしてから飼うことが推奨されます。
トイレトレーニングが終わり、トイレのしつけができているから大丈夫と思われる部分もあるかもしれませんが、犬は興奮したときやふとした瞬間におしっこが出てしまうことがあります。
あらかじめ対策をしておくことで、飼い主さんに不要なイライラした感情や掃除の負担がなくなりますし、衛生環境も清潔に保つことが可能です。
ぜひ、犬を畳で飼う場合は今回の記事をご参考にしていただき、十分な対策をとっていただければと思います。